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シンガポール不動産「耳寄り情報」

2015年5月18日

シンガポールでの住まい探しの「落とし穴」(その2)

パシフィック不動産は、今年で創業40周年を迎えます。日々の業務を通じて遭遇した「住まい探しの落とし穴」を、AsiaX4月20日号掲載の項目1~6に続いてまとめてみました。

 

7.Wi -Fiの電波が届かない

日本と比べて床面積が広く、また、間仕切りがコンクリート壁の場合も多いため、インターネットのWi-Fi電波が全ての部屋に行き届かないこともあります。その場合は、家庭用のWi-Fi中継器などを設置すれば改善されます。

 

8.洗濯・乾燥一体機は故障が多い

ますます高価になる住宅スペース節約のため、洗濯・乾燥一体型の横入れ洗濯機が標準設置されている新築物件が増えていますが、乾燥機能のキャパが洗濯機容量の半分しか無く、また、複雑なメカニズムの為、概して故障が多く、洗濯量が多いご家族の場合、洗濯機と乾燥機と別々に揃えたほうが現実的です。

 

9.オートロックのトラブル

ユニットの玄関にも、電子式のオートロックが設置されているアパートが増えていますが、壊れると修理不能の場合も多く、交換費用は高額となります。電池の定期交換を怠って、液漏れによる故障で、1,000Sドル以上の交換費用を請求されたケースも多々ありますので、メンテナンスにはご注意ください。

 

10.ブレーカーは、「飛ぶ」のが仕事

ブレーカーが作動して、全ての電気製品が動かなくなったとパニックになられる方もおられます。しかし、これは電気器具の容量オーバーや機器の不具合から住宅や家電製品を守るために、ブレーカーが設置されているためです。冷静に対処しましょう。当地では雷の影響で、ブレーカーが作動する場合もあります。ご入居の際に、ブレーカーの設置場所と使い方を確認しておけば、たとえ夜中にブレーカーが飛んでも心配無用です。

 

11.駐車場に限りがある物件もあるので要注意

かつては、アパート1戸毎に、無料の駐車スペースを1台分設置するよう規制されていましたが、現在では、同規制は緩和されております。また、商業施設併設の複合開発物件では、周辺公共駐車場整備のための政府賦課金が課せられるため、駐車場も有料となっていますので、住居賃貸契約の際に、駐車場代はいずれが負担するのか明確にしておきましょう。月極駐車スペースを確保しない場合には、費用負担はありません。

 

12.手付金を不動産エージェントが立替えることは法律違反

日本と違い、言語・価値観の多様な多民族国家のシンガポールでは、不動産契約は「書面」かつ「英語」で締結する事が義務付けられています。口約束で「押さえておいて下さい」は通じません。手付金を払って手付契約 (Letter of Intent)を結んで、初めて物件は押さえられます。手付金の準備に時間がかかることを理由に、不動産エージェントに「立替えて下さい」と依頼することは法律で禁止されています。契約の任意性に疑義が生じ、また、立替えを武器に営業をするエージェントと反社会的勢力の結びつきを断つために、日本でもシンガポールでも禁止事項となっています。

文=木村登志郎(パシフィック不動産株式会社CEO)

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.280(2015年05月18日発行)」に掲載されたものです。

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