コラム

シンガポールの就職事情

シンガポールの社会保障制度

シンガポールにはCPF(Central Providence Fund:中央積立基金)と言われる社会保障制度があります。これは加入者(シンガポール国民、永住権保持者〈PR〉、任意加入者)の毎月の給与に対し本人負担20%、雇用主負担13%の掛け金をCPFの個人口座に積み立てるもので、医療費(Medisave)、住宅購入資金、投資、年金として引出すことができます。

医療保障

Medisave分は給与の6〜8%にあたり、主に政府系やMedisaveが提携している病院での医療費に使用できますが、支払額に限度があるので、自己負担分をカバーするために個人で民間の保険に加入したり、会社が負担、あるいは会社が保険に加入してカバーするのが一般的です。CPFに加入していない多くの日本人の方は海外旅行者保険や民間の医療保険に加入して自己負担分をカバーしています。

失業保険

CPF制度では日本の失業保険のようなものは無く、従って失業しても保障は無いのですが、幸い失業率の低いシンガポールでは仕事探しも比較的容易で今のところ問題にはなっていないようです。

年金

CPFには年金の制度があり、法的に定められた年齢に達すれば基金の範囲内で引出せます。日本人の場合、駐在員の方は日本の厚生年金に加入しているでしょうが、現地採用の方は国民年金へ加入しておくと良いでしょう。海外在住者の加入は任意で、日本国民年金協会が代行納付も行っています。

日本の社会制度との相違点

最も違う点は、CPFはすべて個人口座に積み立てられるため自分の口座の残高が明確なことです。一方現在の日本の社会保障制度、特に年金は受取額が単純には計算できませんし、制度自体も変わってきており、受給額の減少といった不安定要素があります。CPFの場合は、年金以外にも住宅購入資金や投資、子供の教育資金といった用途での引出しが可能で、かなり使い勝手が良くなっています。日本はみんなで拠出した掛け金を必要なところに使うというのが基本原則で、高額な医療費がかかった場合も自己負担が少なくてすみますが、シンガポールの場合は自分の積み立てた金額の範囲内という制約があります。いずれも一長一短があると言えるでしょう。

問い合わせは

JAC Singapore

Tel:6323-4779
E-mail: jac@jac.com.sg

協力=JAC Singapore

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.070(2006年03月20日発行)」に掲載されたものです。
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