夕刻、空の色が美しく変化し始めるとどきどきし始めます。「お父さん!きれいな夕陽が出ているよ。」息子の声に誘われて砂浜に走り写真を撮り始めます。青赤紫、刻々と空の表情が変わります。周りの木々や人々も驚くほど美しく変化します。そして日が沈む瞬間と直後が最高に美しいのです。「ありがとう。おかげでよい写真がいっぱい撮れたよ。」息子も満足げな顔でした。部屋に戻りドアを開けようとした瞬間、脇に抱えていたレンズが落ちゴツンと鈍い音。やってしまったと思った瞬間、目の前の息子を見ました。やばいどうしよう、とても大変な事態が起きたそんな複雑な不安げな表情をしていました。よっぽど自分が愕然とした顔をしていたのでしょう。レンズを拾い上げ溜め息を付くと息子が「お父さん!やっちゃったことは仕方ないから忘れたほうがいいよ。それより次を考えたほうがいい。僕もゲーム機を壊しちゃったときすごくショックだったけどそうしたよ。」その取り繕い方があまりにも真剣でレンズを壊したショックよりも、なんだか面白いやらありがたいやら複雑な心境になりました。
息子は父はずぼらだがある一部に関しては非常に神経質でこだわりが強いことを知っているのです。これは父が相当こだわっていることに大変なことが起きたそんな感じだったのでしょう。自分の恥ずかしいあまり知られたくないこだわりを見られたような気がしました。
父としては弱いものいじめをするな。卑怯なことをするな。人の役に立て。などよいこだわりを出来るだけ伝えてきたつもりなのですが負のこだわりもしっかりと伝わっているのです。恐ろしい気がします。
幼稚園や学校でもたくさんよいこだわりを身につけることが出来ます。しかし、なんと言ってもご両親のこだわりが一番影響を受けることは間違いありません。しかも子どもにとって父と母は代えることが出来ないのです。子どものしつけで一番大切なことは親が自立し責任ある行動をとることなのでしょう。朝早く起きろと言う前に早く眠る環境が出来ているのか?勉強しろと言う前に勉強に集中できる環境を整えているのか、よいこだわりを伝えるために、もう一度見直す必要がありそうです。
文=峯村敏弘(Eisインターナショナル プレスクール園長)
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