コラム

Eis園長先生の教育談議

子どもに選ばれた親(2)

障害を持つことは人とは違う苦労は多少増えますが、決して不幸なことでも、ましてや、かわいそうなことではありません。子育てはどんな子どもも苦労はつき物です。それをどのようにうまくよい方向に乗り越えるかが大切です。
最近の高校生は他人をほめることがとても下手なそうです。自分自身もほめられると、どのように反応していいのか分からず不思議な気分になる子どもが増えているそうです。ほめられた経験が少ないのです。愛を表現された経験も少ないのではないでしょうか。子どもが小さなうちはすべてが可愛く、いるだけで心が安らぎ愛情もかけやすいのです。歩いたり、喋るだけでほめることも簡単に出来ました。誰と比較することなくその子どもだけを見つめ喜べたのです。しかし、体も大きくなり声も変わり、口から出る言葉は反抗的なものばかり、どこをどのようにほめようか、愛そうか考えてしまいます。そんなときに思い出してください。子どもが自分たちを選んでくれたことを、自分たちを頼りに天から来たことを。
子どもを叱りたくなったとき、しっかりと子どもの目を見つめましょう。すると、この子が私たちを選んでくれたことを思い出します。感情的にならずに話ができます。子どもも聞く耳を持てるようになります。良いところが見えてきます。愛おしくほめるべきところがたくさん出てきます。
我が家の息子は反抗期真っ盛りの中学1年生、腹が立つことばかりでも、それでもやっぱりとても大切な宝です。瞳の奥から伝わってくるものは幼いころの親を求める純粋な彼の心です。選ばれたわれわれ親はそのことに恥じないようにちゃんとしているでしょうか。いまでも選ばれる資格があるでしょうか。子どもの問題は殆ど親が原因を作っています。悪いのは親なのです。親自身が自分を見つめなおさなければいけないのです。子どもを変えるためには親が変わるしかないのです。さて、どこからはじめましょうか。息子と顔を合わせたときに、文句からではなく、ほめることからはじめてみようと思います。(後日談、息子と肩を組もうとしている父に息子いわく「お父さんもそろそろ子離れしなきゃね。」だそうです。)

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.108(2007年10月15日発行)」に掲載されたものです。
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