ある日のこと、K君を迎えにお母様と卒園生のお姉さんIも一緒に遊びに来てくれました。しばらく見ないうちに背も伸びて顔つきもなんだかお姉さんになっていました。しばらく話をした後、飲み物をあげようと思いキッチンに行きました。すると弟のK君が顔を出して「園長先生何やってるの。」とたずねてきました。そこで少し意地悪く「Iは先生にとってとても大切だから、飲み物でもあげようと思ってさ。」と答えました。「僕には。」とK君。「どうしようかな。」と言ったら。ものすごく悲しそうな顔をして「先生は僕のこと大切じゃないんだ。」と怒って言いました。そこで用意していたジュースを出しながら「Kもとても大切だからどうぞ。」と手渡すと、本当に嬉しそうな顔をして一気に飲み干してしまいました。「あなたは私にとってとても大切な人だよ」と伝えることはなんと人に力を与え幸せにする事なのでしょう。
自分たちが生活している中には色々な社会があります。私でしたら幼稚園、写真クラブ、キリスト教会、など、家族も小さな社会です。そこにいると楽しくなって力がわいてくる社会と、なんだか居心地が悪く疲れが溜まる社会があります。強制されたり、評価されたり、するのはいやですね。自分で考えて行動できる、心が豊かになるそんな社会にいたいと思うのは誰も同じではないでしょうか。何かを共有し楽しく社会が出来たのにいつの間にか大きな違いが出てしまう。何故でしょう。それは、+1と-1の違いです。社会において自分がもらった幸せよりもひとつ多く幸せの種を置いていくか、ひとつ幸せの種を奪っていくか、その差はたった2です。しかし、時間がたてば大きな違いとなってしまうのです。
幸せな社会を作るためには感謝の気持ちと、大切な人にきちんと「あなたは私にとってとても大切な人である」ことを伝えることが大切だと思います。ひどいことを言ってしまうこともあるかもしれません。しかし、それ以上に幸せになる言葉をたくさん言いましょう。伝えましょう。言葉には力があります。身近なところで子どもや妻に夫にきちんと伝えましょう。でも「あなたは私にとってとても大切な人です。」なんて言えますか? 私は恥ずかしくて妻にそんなことは言えません。ですからせめて、自分がこの人が大切であることを自覚して、「ありがとう」「おいしかった」「うれしかった」など、感謝の言葉から伝えようと思います。妻や子どもだけでなく、父や母、兄弟姉妹、職場など、周りの大切な人々に「あなたは私にとってとても大切な人だよ」ときちんと伝えてお互いに幸せパワーを与えながら暮らしていきたいと思います。
文=峯村敏弘(Eisインターナショナル プレスクール園長)
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