コラム

イヌ派とネコ派

あなたはどちら?

性格占いは結構おもしろいですね。血液型や星座、回転寿司や動物による性格占いなどなど、たくさんあって、どれが正しいという判断はできないにしても、どれも何となくあたっていることの方が多いと思いませんか。どんな方法を使っても、ほとんど同じ結果になるのは不思議です。
特に日本人はこの性格判断が大好きなようです。単一民族なので、外見以外の性格で他人と違っていたいという欲求からなのでしょうか。それとも単一民族の間で争いがおきないよう相手のことを知っておくべきと思うからでしょうか。
欧米社会ではそもそも個々は違うものという発想のため、占いで他人の性格を知ることにあまり面白さを見出していないようです。もともと違うものなので、知ったところで「だから?」になるのでしょうか。
確かに映画などで見るタロットカードや水晶占いは、おどろおどろしています。黒魔術系の占いは、キリスト教文化の中では後ろ向きの存在なのでしょうか。日本のようなあっけらかんとしたところがないですね。
地球規模(その半分くらいの規模で)で共通して語れる性格占い、性格判断みたいなものはないかと考えていたら、ありました、ありました。
20年くらい前の映画になりますが、マイケル・ダグラスとキャサリーン・ターナーの「ローズ家の戦争」というサスペンスコメディがありました。ローズ夫妻の離婚戦争の映画ですが、争いの果て二人とも死んでしまうという恐ろしい結末でした。そして最後のナレーションがこうだったのです。
「イヌ派はイヌ派と、ネコ派はネコ派と結婚すべきだ」

ご主人様と同居人

イヌ派がイヌの魅力を語るときは、規則正しく、礼儀正しく、この人がご主人様と決めたら一生信じてついていくという信頼と忠誠心でしょう。真っ黒な目とちぎれてしまうほどに振られるシッポで表現されるとご主人様は至福のときを味わうのです。そして、やはりイヌはとても賢い。ちゃんと人間家族の一員になり、家族生活を営むことはご存知でしょうが、家族の尊敬順位も人間同様。毎日エサをくれるお母さんがボスと思いきやそうではなく、何もしないお父さんがボス。そして自分はちゃっかり長男のポジションを確保していたりして、次男などには遊んであげているという態度で臨みます。人間の目線で、ちゃんと人間関係を見ている優等生的な頭の良さ。分別の良さ。中世の騎士のようではありませんか。ご主人様はやはりイヌと同様に忠誠心篤く、情緒豊かで、分別をわきまえた方なのでしょう。そして散歩でシェイプアップされて健康的。まさにローズ氏。 それが何とも物足りないのがネコ派。ネコについてはイヌほど賞賛の言葉が見つからないことは事実です。イヌのようなところが一切ないのがネコ、といっても良いくらい。勝手気ままで、超マイペース。寝るのも食べるのも気の向くまま。好きなことには徹底的に打ち込むけれど、好きでないことはまるっきり知らん顔。まさに熱しやすく冷めやすいローズ夫人。ネコはご主人様を持たないので、ネコの同居人と言える人は、イヌと違って水とエサだけやっておけば後はほったらかしでもいいし、トイレも勝手に行ってくれるし、散歩しなくてもいいし、という怠惰な理由ばかりで不健康ですね。でも、その素っ気無いネコがニャ~と足元に擦り寄ってくる時、同居人は至福のときを味わうのです。同居人も気ままで超マイペースのライフスタイルの持ち主なのでしょう。 この両派が混在した社会で、共同生活を営むわけですが、次回からはイヌ派の上司を持ったネコ派の部下の悲劇について書いていきます。
文=ピンクのドラゴン
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.015(2004年10月11日発行)」に掲載されたものです。

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