アジアの次世代マーケティング、1to1のコンテンツ配信サービスに注目
日進月歩で進化するインタ―ネットなどの通信技術を背景に、今や携帯電話に代表されるモバイル端末は予想がつかない程の加速度で世界中に普及している。特にアジアにおいては、年々増え続ける利用者数とその増加のスピードのみならず、高画質・高性能のモバイル端末の浸透度も併せて、目を見張るものがある。シンガポール情報通信開発庁の調べでは、シンガポール国内の携帯電話の普及率は今や101.5%、ネットへのアクセス環境がある割合も74%に上る(2006年9月現在)。東南アジア諸国の中では最も高い普及率を誇る背景には、国を挙げてインフラを構築する勢いがあるからだ。同庁では、2007年より2年間、3社のネットワークプロバイダーの協力を得て島内でのワイヤレスサービスを無料にするというWireless@SGプログラムを開始する。12月から250を越えるカフェや公共施設などでの実施が始まった。外出先でもますますインターネットへのアクセスが便利になるのは嬉しいニュースだ。
インフラが整えば、大容量のデータのやりとりがこれまで以上に可能になるので、モバイル端末でさまざまなコンテンツを楽しむ事ができるようになるのは確実。日本に比べると、まだまだコンテンツ産業が未熟なシンガポールで、今高らかにコンテンツ産業の誘致、開発が奨励されるのは当然のことだろう。それに付随して、知的財産の保護などコンテンツを守る仕組みにも積極的に取り組みはじめている。
また、携帯電話が人々のライフスタイルに欠かせない情報を取り出すツールとなるとすれば、ビジネスの観点からみても、マーケティングの上で見逃す事の出来ないメディアになっていくだろう。
京セラコミュニケーション・アジア・パシフィック社(KCAP)は、2002年の設立当時から、次世代の通信技術やインフラ整備を見越したコンテンツ配信のプラットフォームとなるべく、コンテンツプロバイダーのための現地キャリアとの交渉から契約、配信から料金回収までトータルにサポートしてきた。また、あらゆるビジネスがリアルタイムでオンラインマーケティングを展開するためのクロスメディアマーケティングを構築するなど、戦略的なパートナーとして実績を積んで来た。今回のアジアエックスでは、シンガポールで最先端のコンテンツ配信ビジネスを展開してきたKCAPのサービスを実際に紹介しながら、その可能性を検証する。

これまでに例のないマルチキャリア対応の携帯インターネットポータル「Webw@lkers」がKCAP社のプラットフォーム。世界19カ国の60社が持つ優れたデジタルコンテンツと利用者を繋ぐ。

シンガポールでは、3つのキャリア、Singtel、M1、StarHubとの提携により、それぞれの加入者は誰でもWebw@lkersにアクセスでき、着メロ、壁紙、ゲームソフトのダウンロードなどが出来る(有料)。
世界最大のインターネット書店のアマゾン・コムのEブックを扱うモビポケットのほか、注目なのは日本のマンガを専門に扱うイーブックイニシアティブジャパン(EBI)が加わったこと。
通常の書籍の他、マンガの電子書籍販売を9月より開始した。マンガのセリフなどは中国語(簡体字)に翻訳されており,日本語の元の画像の上に重ねて表示されている。今後は翻訳言語も増やしていく予定。
Webw@lkersでのゲームは1回のダウンロードに5ドル、マンガは一回5.8ドルというから、試しやすい料金設定となっている。支払いは、利用料が毎月の携帯電話、インターネットの使用料に上乗せされる仕組みになっている。

業界を問わずアジアでのコンテンツ配信に関わる業務を一貫してサポートする。規格・仕様や言語の違い、現地オペレーターとの交渉、マーケティング、配信システムの構築・保守や料金回収など、負荷やリスクの大きい海外でのコンテンツ配信について統括的にカバーする、KCAP社のプラットフォームサービスは、まさにワンストップソリューション。現在、Webw@lkersは、シンガポールの他、タイ、オーストラリア、ブルネイで提携キャリアのシステムを通してコンテンツ配信を行っており、来年にはインド、マレーシア、インドネシア、台湾、香港にそのゲートウェイを拡大する予定。
コンテンツ料金の認証・課金・料金計算はKCAP社にて運用され、各国の提携キャリアのシステムと連動することで、コンテンツ配信元には正確で確実な料金回収が可能となりIP知的財産)を守るセキュリティシステムの面でも安心だ。前述のマンガ配信の仕組みは、EBI社がマンガの著作権の交渉や日本のサーバーからのデータ送信を担当し,KCAP社がどのキャリアにも対応するマルチなポータルサイトを通じてサービス運用、課金、料金回収などを行うシステムを構築することで実現した。

今やSMSは、単なるショートメッセージのやり取りに留まることなく、ビジネスと顧客を繋ぐ手軽なインタラクティブツールとして使用され始めている。例えば、テレビや紙媒体で見た懸賞に応募したい場合、ポータルサイトを介さなくても、ダウンロードのリクエストを指定の番号へSMSで送れば、ダイレクトにアクセスできるURLのアドレスが返送される。ダウンロードが完了するまでもほんの数ステップで可能。また画面にそのまま打ちこんで答えられる懸賞つきアンケートなどを受け取る事も出来る。
送り手の企業も、これまでのPR戦略にこのシステムを取り込むことで、あらゆる宣伝媒体を総合した上でマーケティングの効果測定ができるだけでなく、やり取りの認証を通し蓄積されるデータからメンバーシップやグループを構築するなど次のステップへの資料とすることもできる。
映画配給会社と提携して、プロモーション中の映画をフィーチャーした広告に、無料でダウンロードできる壁紙、リングトーンなどの案内と、ゲームの有償ダウンロードの案内を掲載。無料ダウンロードをしたい、またはゲームソフトの購入の意志を指定の電話番号にSMSで送信すると、ダウンロード用URLが返送される。同様の広告が新聞のほかに、雑誌、テレビ、ウェブサイトなどで展開される。
バーガーキング社が、特定のセットミールをオーダーした顧客にコード入り「トラベルチケット」を配布。個人情報とコードを指定の番号にSMSするだけで海外旅行が当たるキャンペーンに応募できるというもの。
KCAP社では、返送されたSMSをもとにデータベースを作成、その際にIDで重複するものがあれば、自動的に削除、キャンペーンの反応を毎日報告、問い合わせ用のホットラインをクライアントに代わって開設などというきめの細かいサービスも提供している。
9月からメディアジャパン発行のクーポン誌「Oishii!」掲載のカットクーポンがSMSでも入手できるようになった。
各ショップのクーポンに記載されているキーIDを本文に入力し、77877へSMSを送信すると、クーポンの内容や期限が同じくSMSで返信される。各ショップで返信されたメッセージを見せれば、紙面およびウェブに掲載のクーポンと同様にサービスを受けられるというもの。より手軽に、かつスマートにクーポンを使えるのがうれしい。
文= 桑島千春
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