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新規進出企業レポート

2014年10月29日

ラーメン文化の定着をめざし、日本の人気店の味を続々と提供

Gourmet Innovation Pte. Ltd.

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日本の有名ラーメン店の出店が相次ぎ、まさに激戦区の様相を呈しているシンガポール。そんな中で、グルメイノベーション株式会社(本社・東京都渋谷区)が11月初旬、ボートキーエリアににラーメン店「宅麺(Takumen)」をグランドオープンする。日本では人気店のラーメンをそのまま通信販売する国内最大のラーメンECサイト「宅麺.com」を運営する同社は、当地では1つの店で6軒の行列人気店の味が楽しめるという、これまでにはないスタイルのラーメン店を展開する。

 

井上琢磨代表取締役社長は、現在のシンガポールのラーメンの味は「スタンダードなとんこつラーメン」が中心になっていると話す。「シンガポールには日本のラーメン店が多く進出していますが、とんこつが主流で唐辛子の赤、ふつうの白湯、麻油の黒というようにレパートリーが限られているように思います。『宅麺』ではとんこつ、みそ、鶏白湯、家系、二郎系、坦々麺といったように、さまざまなジャンルの名店6軒の味をお届けします」。

 

それらは福岡、東京、横浜、千葉の有名店であり宅麺.comで人気のラーメン。またローカルの人たちに試食をしてもらった結果を基に選ばれた。ただし、これら6軒からレパートリーを増やしたり、トレンドに合わせて入れ替えをすることもあるという。

 

「スープはシンガポールでつくりますが、味の決め手となるたれを日本の各店から直送してもらいます。私たちの店では、独自に商品の開発はしません。しかし宅麺.comでお付き合いのある店の100種類以上のラーメンのレパートリーがあります。すなわち、日本で一番旬のラーメン、トレンドをシンガポールに持ってくることができます。これまで日本で4年半、宅麺.comを通じて築いてきたラーメン店との関係は当社の大切な資産です」。

 

ラーメンといっしょに情報も紹介。「ラーメンおたく」の出現を期待

創業時から東南アジアでの展開を考えていたという井上さんは、「シンガポールではまだラーメンは流行り物の段階」と見ている。

 

「シンガポールにラーメンのうんちくを語ることができるローカルの人はまだほとんどいないでしょう。日本からラーメンにストーリー性がある店、地方にある店や季節限定の店なども当地に紹介し、ラーメンにまつわるいろいろな情報といっしょに持ってくることで、シンガポールでラーメンおたく、いわゆる『ラオタ』を育てたい。このような人たちが出てきてようやくラーメン文化が定着したといえると考えます」。

 

今後、シンガポール国内で店舗を増やすこと、そしてほかの国への展開も視野に入れている。

 

「海外進出が難しいと思われる小規模のラーメン屋さんを、宅麺を通じて世界に紹介できることは当社の強みであり、日本のラーメンのマーケットを広げていきたいと思います。店舗展開だけでなく、宅麺.comのように店と同じ味を自宅で楽しめるような通信販売や、スーパーなどでの店頭販売も手掛けていきたいと思っています」。

 

会社プロフィール

日本全国の行列ができる人気店のラーメン・つけ麺を冷凍して自宅に届ける通信販売サイト「宅麺.com」を運営する。扱うラーメンは行列人気店のみ約100種類におよぶ。2010年設立。「ラーメンは自宅で店の味を再現することが非常に難しい食べ物。宅麺.comを利用すると、おいしいと思う前に、店と同じ味だという感動があります」(井上琢磨代表取締役社長)。

Gourmet Innovation Pte. Ltd.
35D Hong Kong Street Singapore 059674
TEL:6438-1030

 

取材後記

現在、マレーシアのペナンにご家族と在住の井上さん。ウインドサーフィン、レーシングカート、料理など多彩な趣味をお持ちです。そしてやはり、ラーメン屋巡りも楽しんでいらっしゃるとのこと。

座右の銘は「何事も楽しむようにする」。

 

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35D Hong Kong Street Singapore 059674

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