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インドビジネス基礎情報

2006年5月1日

インドを知ることからはじめよう!

こんにちは。有限会社アイジェイシー代表の、土肥克彦(どいかつひこ)と申します。今回から、インドでのビジネスに役立つ、さまざまな情報をお伝えする目的で、この連載を担当させていただくことになりましたので、どうぞよろしくお願いします。

 
私とインドとの関係はまだ10年程度で、それほど古いものではありません。10年前私は大手鉄鋼会社で、海外の製鉄所に、プラント制御用コンピュータの技術輸出を担当していました。当時ITはインドと台湾だとか、ICはインドとチャイナの略だとか言われていた頃で、IT、ソフトウェアにおけるインドの力が日本でも広く認識され始めた頃でした。加えてアメリカやIMFから、内需拡大や輸入増加を求められていた時代でもありました。それで会社でも輸入促進を図るべく、私のいた部署では、ソフトウェアの海外調達に取り組むことになったのでした。

 
以上のような社会背景のもと、私がインドからのソフトウェア調達プロジェクトの担当になったのがインドとのつきあいのはじまりでした。
その仕事でインドに行き、多くのインドの企業を調査し、そして実際に調達し、苦労はしましたが無事に成功しました。

 
その後、鉄鋼会社は退職し、結局その時一緒に仕事をしたダスツールという会社との縁で、ソフトウェアのオフショア開発やエンジニアリング業務を中心にインドとつながって、現在に至っています。こうなったのは、インドに接しているうちに、インドの持つ潜在能力を感じ、インドをもっと知りたくなったことと、今後の日本にとってインドともっと付き合っていく必要性を感じ、それに役立ちたいと思ったからでした。

 
近年インドのITや経済成長が注目をあびていますが、現在インドに進出している日本の会社は330社で、中国に進出している20,000社に比べてあまりにも小さいものです。それはインドに関する情報がこれまであまりにも少なく、日本人がインドのことを知らないという、心理的な壁が影響しているように思われます。これはインド人が親日であるだけに、大変残念なことです。

 
アジアの時代といわれる21世紀、中国に加えて、インドを知り、インドと相互に協力していくことが今後日本の世界的なプレゼンスをさらにあげていくためにも是非とも必要な事と考えます。米英を中心にインドへの関心はきわめて高く、インドへのアウトソーシングでコストダウンと、優秀なインドの人材の確保にまい進しています。日本は、インドに関しては出遅れています。

 
この連載は、成長著しいインドについて理解を深め、インドでのビジネスに役立つインドの経済、文化や国民性などについての情報を提供して行きたいと思います。本連載が、皆様のインド・ビジネスのお役に立てれば幸いです。次回は経済発展著しいインドが、世界から注目されてきたその背景にあるものから示していきたいと思います。

文=土肥克彦(有限会社アイジェイシーauthor

福岡県出身。九州大学工学部卒業後、川崎製鉄入社。東京本社勤務時代にインド・ダスツール社と協業、オフショア・ソフト開発に携わる。
2004年有限会社アイジェイシーを設立、ダスツール社と提携しながら、各種オフショア開発の受託やコンサルティング、ビジネス・サポート等のサービスで日印間のビジネスの架け橋として活躍している。
また、メールマガジン「インドの今を知る! 一歩先読むビジネスのヒント!」を発行、インドに興味のある企業や個人を対象に日々インド情報を発信中。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.073(2006年05月01日発行)」に掲載されたものです。

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