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インドビジネス基礎情報

2006年12月18日

インドの郵便や通信事情(社会・文化2)

今回はインドの社会・文化の第二回目で、インドの郵便や通信などの事情について記していきます。

 

 

1郵便

インドの郵便網は世界最大で、郵便局の数は15万ヶ所以上あります。基本的にインドの郵便制度は信頼できるものです。私はこれまで十数回利用しましたが、届かなかったことはありません。しかし高価なものを送る場合は国際宅配サービスを利用した方が、料金は高いですが、安心だと言われています。
郵便を出す場合、国際郵便は航空書簡(エアログラム)が8.5ルピーと安いので良く利用されます。その他、ハガキが8ルピー、封書が15ルピーです。エアメールでは、デリーなど大都市からだと4~5日、地方では2~3週間かかることもあります。また船便でインドから日本に送る場合では、2~3ヶ月かかります。インドで郵便物を受け取る場合は、宿泊予定のホテルか、大都市の中央郵便局気付(C/OGPO)で受け取れます。
小包はGPOという中央郵便局GPOや外国郵便局FPOから発送できます。重量によって値段が決まり、大都市の郵便局には梱包屋がいます。郵便局には税関申告書がありますが、1000ルピー以下の贈り物の場合は関税を払わないで済むよう、その旨申告しておくことが必要です。また書籍の場合は一般小包より安く、税関申告書も不要です。ただし中身が見えるように、閉じ口の端を2ヶ所開けておかなければなりません。

 

2電話

インドの国番号は91です。インドから日本にかける場合は、「国際電話識別番号00+日本の国番号81+0抜きの市外局番+相手の番号」となります。
インドで電話をかける場合は、小さな町にもある公衆電話局PCOや私設電話局でかけられます。街角で、黄色や白色の地に「PCO、STD、ISD」などと書いた看板があったら、電話屋です。電話屋には家庭用電話機が備え付けられており、受話器を上げ「PCO」が市内通話専用回線、州の外にかける場合(長距離電話)は「STD」、「ISD」が国際電話可能な電話です。街中から日本に電話をかける場合は「ISD」の看板のあるところでかけます。ホテルの部屋からかけるよりは、こちらの利用が断然安く上がります。多くの電話ブースは24時間使用可能でデジタル式のメーターがついていて、通話時間や料金が確認できるようになっています。市内電話の場合は3分2ルピーが基本で、深夜や休日は安くなっています。

 

3携帯電話

インドにおいては固定電話網が発達する前に携帯電話の普及が爆発的に進み、通話料金が安いこともあり、携帯電話の方がメリットが大きいです。インドでの契約者数は、固定電話は5,000万で、携帯電話は1億を突破しています。日本との電話も、携帯電話の利用が最も便利です。インドでの平均的な国内通話料は1分間1ルピー程度で、国際電話でも1分間30ルピー以下でかけることができます。SMS(ショート・メッセージ・サービス)はもっと安い。

 

4FAX

多くの公衆電話局や私設電話局で、FAXのサービスも行っています。海外への送信は、A4サイズ1枚あたり70ルピー、国内向け10ルピー、受信は1枚当たり10ルピー程度です。

 

5eメール、インターネット

大都市や観光地にはインターネットカフェがあり、店の看板に「INTERNET」と大きく書いてあります。最近では日本語フォントを備えたパソコンを置いているところも増えてきています。また大都市の高級ホテルでは、各部屋からインターネットに繋げるところもあります。

 
インドとのメールのやり取りで、送受信できないことはありません。インドとの連絡には、ヤフーやマイクロソフトなどのメッセンジャーを利用すると、ただで、リアルタイムにやりとりでき、保存もできるので私はこれをいつも利用しています。また日本にいるインド人も、私用の通話ではほとんどこのメッセンジャーの音声通話機能を利用しており、電話を利用することはほとんどありません。

 
インターネットは中規模以上の都市なら、国内長距離電話や国際電話が利用できる電話屋からEメールが送れるようになっています。ただし、停電が珍しいことではないので、適宜保存しておくようにした方がいいでしょう。利用料は1時間20〜90ルピー程度です。

 

 

次回はインドの歴史の三回目、紀元前500〜600年ごろのガンジス川流域の農村社会、都市の出現から王政国家の出現についてです。

文=土肥克彦(有限会社アイジェイシーauthor

福岡県出身。九州大学工学部卒業後、川崎製鉄入社。東京本社勤務時代にインド・ダスツール社と協業、オフショア・ソフト開発に携わる。
2004年有限会社アイジェイシーを設立、ダスツール社と提携しながら、各種オフショア開発の受託やコンサルティング、ビジネス・サポート等のサービスで日印間のビジネスの架け橋として活躍している。
また、メールマガジン「インドの今を知る! 一歩先読むビジネスのヒント!」を発行、インドに興味のある企業や個人を対象に日々インド情報を発信中。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.088(2006年12月18日発行)」に掲載されたものです。

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