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2014年8月18日

「メイド・イン・ジャパン」のダークチョコレートを>世界へ届けたい ~Awfully Chocolateの次なる戦略

Awfully Chocolate 創業者&CEO リン・リー氏

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濃厚な味がトレードマークのチョコレート菓子専門店「Awfully Chocolate」。根っからのチョコレート好きが高じてリン・リー氏らが1998年に会社を設立。チョコレートケーキとアイスクリームだけを取り扱うユニークなビジネスモデルで注目を集めた。広告費を一切使わない戦略にもかかわらず、材料にこだわり、チョコレート本来の味を生かしたケーキが消費者のハートを掴み、現在、国内に6店舗、海外では19店舗(東南アジア、中国・台湾・韓国・欧州)と事業を拡大、「Everything with fries」(国内3店舗)、「Sinpopo」とレストランの多角化経営でも頭角を現し、今やシンガポールを代表するブランドのひとつにまで成長した。「Awfully Chocolate」は今年で創業16年目。ロングランのブランド確立が難しいとされる当地で、チョコレート一本で勝負した同社の強さ、成功の秘訣について、話を聞いた。

 

 

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― 何故、チョコレートビジネスを?
自他ともに認める大のチョコレート好きは母譲りで、子どもの頃のおやつと言えばそれしか食べたことがないほど。特にダークチョコレートは当時、売っていること自体がまれでしたが、母はその貴重なものを必ず探してきました(笑)。起業のきっかけは、友人らと一緒に夜食を食べていた時。ビジネスのことはさっぱりわからないけど、ダークチョコレートケーキ専門店はどうだろうか、と話すと、皆食いついてきた。当時主流だった甘くて軽いカラフルなケーキの逆を行った、色を付けない濃厚なチョコレートケーキを、というと、みんな身を乗り出して。すぐに、やろうという話になり、まず、言い出しっぺの私が先に仕事を辞めてチョコレートビジネスへ。当時ボーイフレンドだった今の夫と友人らは本業を続けながら、パートタイムで手伝うという形でスタートしました。

 

― 設立当時のショップを見た時は衝撃的でした。白い壁とガラス張りの箱のような店構え。そのど真ん中にショーケースがポツンとあるだけで、何を売っているのか外からは見えない。非常にユニークなビジネスモデルでした。
当時の1号店はご指摘の通りの店構えだったので、興味本位で立ち寄ったお客様から「何を売ってるの?」と聞かれる始末で。メニューもないし、商品も見えない。当の商品と言えば、フルーツも入っていなければ、何のデコレーションもないダークチョコレートケーキだけ。でも、元々「味」で勝負するつもりでしたから、余計なものはいらないと思った。当時は内装や広告に回す資金の余裕もなかったんですが(笑)。そういう経緯で商品開発に注力していった結果、客足がどんどん増えていった。そこで、マーケティングも兼ねて、来店するお客様にどうやってこの店を見つけたか、という聞き取り調査を行ったんです。そのほとんどが口コミで、「ジューチャットに小さな面白い店があって、そこのチョコレートケーキがすごくおいしいと聞いて、わざわざ探しに来た」と言うんです。そこで気づいたのは、いいモノを持っていれば、向こうから見つけに来てくれる、ということ。我々の場合は、それがチョコレートをふんだんに使ったケーキだった。

 

― 「Awfully Chocolate」のネーミングが非常に印象的です。
そういう店構えでしたから、シンプルにチョコレート製品を売っているというわかりやすさが必要でした。オーフリー(Awfully)というのは、時に悪い意味合いがイメージされますが、実は「ものすごくいい」という意味もある。また、かわいいよりも強い印象がよかった。ブランド名を変えようと思ったことは、とよく聞かれますが、この名前以外考えられないし、そんなこと一度も考えたことがないんです。そういえば最近、似たような名前のブランドがたくさん出てきましたね。シンプリー○○とか、ストリクトリー○○、とか(笑)。

 

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