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来星記念インタビュー

2010年1月1日

2010年アジアで働く・暮らす人達へ

『こうして私は世界No.2セールスウーマンになった』『人生を好転させる『新・陽転思考』~事実はひとつ 考え方はふたつ~』などの著者・和田裕美さんと、『雨がふってもよろこぼう!』『上司に使われるな!上司を使え!』などの著者・嶋津良智さんから、2010年を良い年にするための貴重なヒントをたくさん頂きました。

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株式会社ペリエ 代表取締役
和田裕美氏外資系教育会社で営業時代、プレゼンしたお客様の95%から契約を獲得する圧倒的な営業力を培い、世界2位の成績を収めて20代かつ女性初の代理店支社長に。その実績は後に続く女性営業マンに多大な影響を与え数々の成功者を作り上げる。2001年、株式会社ペリエを設立。現在は、コミュニケーション力・営業力アップ等の講演を国内外で行っている。ビジネス書をはじめ自己啓発書など著書多数。
著書や、セミナーのレポートなど最新情報はペリエのサイトで随時発信中。
株式会社ペリエ(和田裕美メインサイト)
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株式会社リーダーズアカデミー 代表取締役兼CEO
嶋津良智氏大学卒業後、IT系ベンチャー企業に入社、最年少営業部長に抜擢されるなどトップセールスマンとして活躍。28歳で独立・起業。縁あって知り合った経営者2名と設立した会社を実質5年で年商52億の会社に育て、株式上場(IPO)を果たす。2005年、リーダー育成のための教育機関、株式会社リーダーズアカデミーを設立。日本、シンガポール、アメリカで会社経営に参画する傍ら、独自メソッドの「上司学」で、次世代のリーダー育成に努める。著書、講演などに関する情報はリーダーズアカデミーのサイトへ。
リーダーズアカデミー学長日記 in Sinagpore

AsiaX
2009年はどんな1年でしたか。

和田
これまで講演や本の中の数ページで「陽転思考」という考え方をお伝えし続けてきたのですが、それを1冊の本にまとめるという、ある意味集大成の年でした。この本を通じて、これまでのビジネス書の読者層だけでなく、さらにいろんな人との繋がりができました。いろんな広がりができて、受けるものも多かったですね。
嶋津
自分の中では実はあまりぱっとしない1年でしたね(笑)。日本は政権交代を含めて変化の年でしたが、いい方向へ変化しようとしているのか、正直疑問です。僕の持論で、国家力や企業力は「能力×数」で決まると考えているのですが、日本はその数がどんどん減っています。数が減れば消費が減るし、納税額も減るし、労働力も減少してしまう。数を増やす必要があるんですが、日本には日本語という言葉のバリアがあったり、文化の違いで外国人にはなかなか暮らしづらい面が多い。また、日本人の数自体を増やす、つまり出生率を上げなければいけないのですが、現状ではまだ上がる要素が見えないんですよね。
一方、今年のシンガポールは良い意味でヘンな国だなと思いました(笑)。世界中が不景気で先行き不透明だった昨年6月から7月に月間の新築住宅販売戸数の最高記録が連続で更新されて、11月には景気回復に向かっているという見通しを政府が出せたほど。日本や海外と行ったり来たりでシンガポールにずっと居るわけではないんですが、それでもシンガポールの底力が垣間見られましたね。

AsiaX
2010年はどんな年になると予想されていますか。

和田
風水の方に見ていただいたところ、来年の私は「暴れまくり」の一年なんだそうです(笑)。丑年だった2009年に一歩一歩地面を踏み固めて来たので、寅年である2010年はそのしっかり踏み固めた地面を駆け巡って、いろんな事に挑戦したいですね。
嶋津
非常に楽しみな年ですね。2009年末から良いお話を受けることが増えていて、年明け早々にイベントも予定されています。また、経営者向けの新しいプログラムを現在開発中で、7月頃の公開を予定しています。完成して上手く行けば、皆さんの役に立つことはもちろん、自分の教育ビジネスにも大きな変化をもたらすものになりそうなので、とても楽しみにしています。
昨年頃から、中国やオーストラリアなど海外からのご相談を受けることも増えていて、今年はアジアの日本人のために何かできることが増えそうです。それも楽しみですね。

AsiaX
2010年に海外で働く日本人ビジネスパーソンに期待することは何でしょうか。

和田
日本国内では、政治不信が広がってデフレや為替不況なども起きている一方、世界の目はBRICSなどへ向けられて、日本はほったらかし、という感じにも見えます。外資の流入も減っていて、海外から日本への興味が薄れているのを私個人的には感じています。だからこそ、海外にいる日本人の方々に日本の良さや住みやすさを伝えて頂きたいなと思います。また、最近は、日本を出たくない、住み慣れた街を出たくない、という若い人達が多いんです。ゆとり世代に特に良く見られるのですが、アクションを起こさない人達が増えています。商社に入社しながら海外勤務を敬遠したりとか。海外で働く皆さんから、日本国内の人達へ海外へ出る良さをぜひ伝えて頂けたら嬉しいです。
嶋津
これからますます「世界の中の日本人」を見ることが、特に日本国内にいる日本人には必要だと思います。海外で働いている人達は既にそれが見える場所にいる訳ですから、「日本の中の日本人」と「世界の中の日本人」の違いを、日本にいる人達にぜひ伝えてほしいですね。
今はブログやSNS、Twitterなどのコミュニケーション・サービスと、個人が情報発信できる手段がいくらでもあります。何かやらないと、何も始まりませんから。

AsiaX
2010年に海外で暮らす日本人へのメッセージをお願いします。

和田
昔に比べて今は情報量がものすごく多くて時間が過ぎるのも早いですよね。ものごとのスピードが何百倍にも上がっていて、周りと比べて自分が取り残されているのではないかと焦りを感じたり、しんどくなる人も多い。つらくて、心が折れることもあると思います。
ひとつのことには良いことも悪いこともあるんですよね。地球上のある地点では昼でも、同じ時に別の場所では夜だったりするように。だから、悲しい気持ちになったり、泣いてしまったり、怒ることもあって良いんです。けれど、いつまでもそうしているのではなくて、目の前で起きた事実に対して「よかった」って言ってみる。そのあとに「なぜ?」と自分に聞いてみるんです。例えば、財布を落としてしまったとします。辛くて「よかった」ことなんてないかもしれない。でも、「財布を落としてよかった」と言ってみてください。その後に「なぜ?」と考えて、「なぜ」を言ってみる。そうしていくうちに、失敗したとき、辛いとき、怒ってしまったとき、どんなときでも早く切り替えられるようになります。この「陽転思考」で人生がどんどん好転していきます。
海外では、言葉が通じなかったり、なかなか友達ができなかったり、自分が慣れた環境とは違って、挑戦や壁がたくさんあると思いますが、「よかった」を探す思考パターンを身に付けることで、海外に居るからわかることや経験できる良さにも目を向けられるようになります。
今年は一日にひとつ、「よかった」を探してみてください。そして「なぜ?」と考える。最初は無理でも、30日続けていると脳にパターンができて、切り替えが早くなるんです。人格や性格まで変わる人もいるぐらい。ぜひ一年間続けてみてください。ものごとが好転して、自分自身を幸せにできますよ。
嶋津
今年は、2010年代のスタートの年。このキリの良い年に、何か新しいことを始めてみられることを提案したいと思います。例えば、これから2019年末までの10年間何かを続けてみるのはいかがでしょう。近所のローカルのジムに通うことから始めてみるとか、新しいスポーツに取り組んでみるとか、気持ちを新たに何かを始めるのに、今年は最適な年ではないかと思います。
また、昨年11月からアジアエックスで連載コラム『リーダーに付ける薬』を開始しました。皆さんのお役に立てるような情報を発信していきたいと思いますので、コラムに関する質問、感想、リクエストなどぜひ聞かせて頂ければと思います。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.159(2010年01月01日発行)」に掲載されたものです。
取材=石橋雪江

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