シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP第10回 シンガポールで株式投資をするには

働く人のための資産運用講座

2019年11月25日

第10回 シンガポールで株式投資をするには

 今回はシンガポールで株式投資をする方法をお伝えします。日本国内に住所がない「非居住者」になると、日本で自由に証券取引ができなくなります。日本の証券口座を閉鎖しなければならなくなりますので、現地で証券口座を開きましょう。証券会社によっては、東京証券取引所も取り扱い市場になっている場合もあるので、日本株を購入することもできます。

 

シンガポール株はどれを選ぶべき?

 さて、シンガポール株について。ブルーチップと呼ばれる優良企業の株式に関しては、保険会社などの機関投資家の多くも保有しています。ブルーチップ銘柄は景気回復時の戻りも早い傾向があるのが魅力です。

 

 その中でもどんな銘柄を選べばよいか迷いますが、シンガポールの強みは「金融」ですので、銀行株の保有もいいかもしれません。ブルームバーグ社による「世界銀行番付(2015年)」でもシンガポールトップ3行のDBS、OCBC、UOBは世界トップ10にランクインされています。

 

 余談ですが、1988年には世界の銀行の時価総額ランキング上位10行中9行が日本の銀行でした(ブルームバーク調べ)。それが現在では、トップ30にランクインしているのが3行のみ、米中が上位を独占しています。2007年のトップ10は米英の銀行が独占していましたが、サブプライム金融危機が米国を直撃し、その後のギリシャ国債(ソブリン債)に端を発した経済危機が欧州を襲いました。覇権は常に移り変わるのです。

 

シンガポール株は配当利回りが高い!

 話を戻しましょう。銀行株を中心としてシンガポール株は、配当利回りが高いという特徴もあります。現在の株価水準では5%前後、また、株価も比較的安定しています。東証一部上場企業の平均配当利回りが約1.8%(東京証券取引所「株式平均利回り(2019年3月)」)ということから比べると、シンガポール株がいかに高配当であるかが分かります。

 

 その他には、通信会社の配当利回りも高めです。また、REIT(不動産投資信託)も配当利回り6%前後など高配当で、富裕層にも人気があります。

 

 REIT(不動産投資信託)とは、投資家から集めた資金で不動産への投資を行い、そこから得られる賃貸料収入や不動産の売買益を原資として投資家に配当する金融商品のことです。投資家は、不動産投資信託を通じて間接的に複数の不動産のオーナーになり、不動産のプロによる運用の成果を受けることができます。株式と同じように取引所に上場しているため売買が可能で一般に数万円から数十万円の少額での投資が可能です。

 

証券会社に口座を開設しよう

 これらの上場商品を取引するには証券会社に口座を開設する必要があります。OCBC証券、UOB Kay Hian証券、DBS Vickers証券など様々なプラットフォームがありますので、取り扱い市場や手数料などで比較をして決めるとよいでしょう。

 


花輪 陽子(Yoko Hanawa)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、(国家資格)CFP®認定者
 
『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』 (講談社+α新書)など著書多数。「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演や講演経験も多い。
HP:http://yokohanawa.com/
Twitter:@yokohanawa
『花輪陽子 シンガポール資産運用情報メールマガジン』を隔週金曜日で発行中!
定期メールマガジン配信会員になると匿名で質問ができます。メルマガ登録はこちらから

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.352(2019年12月1日発行)」に掲載されたものです。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP第10回 シンガポールで株式投資をするには