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異分野こそアイディアの宝庫!

2019年10月25日

アイディアを出すためには、関連づける力を身につける!

 新規事業や新商品を産み出したい!でも、アイディアが出ない … 。そもそも、画期的なアイディアを考えだすって、生まれつきのものなんじゃないの?あ~あ、自分がスティーブ · ジョブスだったらなぁ…。そんな悩みを、お持ちではいらっしゃいませんか?
 
 ご安心下さい!どうして、アイディアが出ないのか?それは生まれつきでも、やる気の問題でもありません。その答えは『思考のルール』にあるのです。もしあなたがルールを知らずにスポーツをやったとするなら、絶対に勝てませんよね。『思考のルール』を知れば、アイディアが出るようになるだけでなく、人生が上手くいき、楽しくなるのです!
 
 だから、脳の使い方のルールとトレーニング方法を習得しさえすれば、誰でもアイディアは産み出せるし、発明家にもなれます。もちろん、あなたがスティーブ · ジョブスでなくても!
 

アイディア発想に必要な思考ルールとは

 普段、つい見過ごしてしまっている、異分野こそアイディアの宝箱です。一見、自分の仕事と全く関係なさそうに見える違う業種や業界に、アイディアの種はゴロゴロ転がっています。それを、いかに結び付けるか?これがポイントです。
 
 いくつかあるルールのうち、今回の連載では、重要な2つの思考ルールをご紹介します。『異分野ミミクリー思考』『視点ズーミング思考』です。

『異分野ミミクリー思考』とは

 ミミクリーとは聞き慣れない言葉ですが、『まねる』という意味です。異分野 · 異業種のルールをまねて自分のフィールドに取り込んでしまえ!という思考です。

『視点ズーミング思考』とは?

 カメラのズームレンズのように「木を見て森を見ず」にならないよう、” 鳥の目と虫の目” と言われるような、対極の視点が大切です。普段、見慣れている視点とは全然違う角度や切り口から、物事をとらえてみようという思考です。
 

『関連づける力』と“たとえ話”

 異分野のルールをまねるには、まず、全然違う分野と『関連づける力』が必要になります。この力を身に付けるには、自分の専門分野の知識を “たとえ話” を用いて小学生にでもわかるように説明するトレーニングがお勧めです。
 
 例えば、プラスチックなどの樹脂材料の、熱による性質の違いを、食べ物に関連づけてみましょう!熱硬化性(ねつこうかせい)と熱可塑性(ねつかそせい)の違いです。えっ?いきなり専門用語? 大丈夫です!たとえ話を使えば、こんな風に子供でも感覚的につかめるようになります。

★ 熱硬化性とは?

 ゆで卵と同じ。一度ゆで卵になったら冷めても生卵には戻らない性質の事です。

★ 熱可塑性とは?

 とろけるチーズと同じ。熱が加われば溶けますが、冷めれば再び固まる性質の事です。
 
 いかがでしょうか?このように全く異分野なものでも、関連づけが出来るようになっていきます。なかなか面白いですよね!営業トークやプレゼンにも応用できる、とっておきのテクニックです。特にエンジニアには役立つこと間違いなしです。今日から出来る実践トレーニング。是非とも、お試しあれ!
 
 次回は、全く異業種のルールを真似て効率を格段にアップした事例を紹介します。お楽しみに!
 


石川 耀弓 (いしかわ きくよ)
【元ソニーの女性エジソン】の異名を持つ、デジカメの電子シャッターの発明者!
全国発明表彰、特許特級表彰、アントレプレナー賞を受賞。現在は、中小企業のキラリと光る技術を発掘して世界に発信する【フィールウェア・プロジェクト】を主宰。脳の使い方をナビゲートするブレイン・アナリストとしても活躍。ペンネーム下川眞季で『”かわいい”のわざが世界を変える!~フィールウェアという発想~』(彩流社)を上梓。
 
株式会社 ダヴィンチ・ブレインズ 代表取締役社長
(NPO)大田ビジネス創造協議会 理事、技術士(経営工学)
会社URL http://www.davinci-brains.co.jp/
フィールウェア・プロジェクト http://feelware.jp/
著作本書評 http://eliesbook.co.jp/review/ Vol.4932

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.351(2019年11月1日発行)」に掲載されたものです。

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