2019年9月25日
Q.「社会保障協定ってどんな制度!?」
~赴任者の社保二重加入防止のための制度~
社会保障協定とは、海外赴任者が自国と赴任した国とで社会保険を2重に加入しなければならなくなることを避けるために、2ヵ国間で社会保険の取り決めをした協定のことです。
2019年9月時点において、日本との間で社会保障協定を発効している国は20ヵ国。ドイツ、イギリス、韓国、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ、オーストラリア、オランダ、チェコ、スペイン、アイルランド、ブラジル、スイス、ハンガリー、インド、ルクセンブルク、フィリピン、スロバキア、中国となっています。また未発効ですが署名済の国は、イタリア、スウェーデンとなっています。Oさんの同僚が言う通り、中国とは 2019年9月に発効されました。なお、国によっては、将来年金を受給しやすいように、2ヵ国で年金制度に加入していた期間を通算する取り扱いもあります。
ところで、シンガポールの社会保険制度であるCPF(中央積立基金)に加入できるのは、シンガポール国民と永住権保有者となっています。原則日本からの赴任者は加入できないため、シンガポールの場合は社会保険に二重で加入する問題が発生しないことになります。
▶ このコラムの回答者
武澤 健太郎
社会保険労務士法人 大槻経営労務管理事務所 アジア進出担当 執行役員
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.350(2019年10月1日発行)」に掲載されたものです。