シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP「私の年金。いくらもらえるの!?」

海外進出「社会保険・労務管理」

2019年8月26日

Q.「私の年金。いくらもらえるの!?」

~ねんきんネットを活用すれば確認できる~

私はシンガポールに渡星して10年になる者です。日本では少し前に金融庁が発表した「夫婦の老後には年金以外に2000万円の蓄えが必要」というニュースをきっかけに年金が話題になっていると思いますが、そもそも、年金はいくらもらえるのでしょうか。私は年金をあまりあてにしていませんが、自分の年金額を確認できる方法があれば教えてください。ちなみに、私は日本在住の時に15年ほど会社員でした(Nさん)。

 会社員の年金は、国民年金と厚生年金の「2階建て」となっており、原則65歳からそれぞれもらえます。まず、1階部分の国民年金は、20歳から60歳まで40年間すべて納付した場合に、満額で月65,008円(2019年度)もらえます。次に2階部分の厚生年金ですが、こちらは過去の給与と賞与から算出された「平均標準報酬額」をベースに、Nさんの過去の給与と賞与の額によって、計算されることになります。ただし、注意が必要なのは、給与分については62万円が上限となっているため、たとえ月収100万円であったとしても、62万円として計算されてしまいます。また、賞与も1回につき150万円が上限となっています。ちなみに、厚生年金の金額ですが、厚生労働省発表のモデルケース(厚生年金に40年間加入し、給与と賞与の平均額が約42.8万円)では、月額91,488円(2019年度)となっています。つまり、国民年金と厚生年金を合わせて月額156,496円くらいです。ただ、Nさんは、海外在住ということもあり、このモデルケースとだいぶ状況が異なると思いますので、詳しくは「ねんきんネット」を活用し、ご自身の年金記録を確認してみて下さい。
 

▶ このコラムの回答者

武澤 健太郎
社会保険労務士法人 大槻経営労務管理事務所 アジア進出担当 執行役員

社労士大槻オフィスシンガポール

80 Robinson Road #10-01A Singapore 068898
ご相談は、Emailにてご連絡ください(担当:武田 正行)

文=社労士大槻オフィスシンガポール

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.349(2019年9月1日発行)」に掲載されたものです。

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