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ビジネスインタビュー

2013年3月9日

付加価値の高い総合ITサービスを提供し、新しいワークスタイルを提案したい

RICOH Singapore Pte Ltd アシスタントジェネラルマネージャー 齋藤徹さん

先進国とアジアパシフィック地域のハブとしての主要市場
高度な要望に付加価値サービスで応える

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「シンガポールは日本や欧米と同様に先進国という位置付けで、当社にとって重要なマーケットです」。

齋藤氏はシンガポール市場の位置づけをこのように語る。シンガポールに拠点を置く日系企業は一般に、周辺のマレーシア、インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム、オーストラリアなどシンガポールよりはるかに多い人口と企業を抱え、大きなマーケットを持つ国の販売などを同時に担当していることが多い。しかし、リコーシンガポールは、このシンガポールマーケットにフォーカスし、ビジネス顧客向けにリコー製品の販売とサービスを手がけている。
「シンガポールでは、新興国のように当社の製品の販売台数が劇的に増える、ということはあまり考えられないかもしれません。しかし、シンガポール市場の特徴として、お客様が求める品質やサービスは日本や欧米などと同じくらいレベルが高いです。ですから、当社はお客様に付加価値あるサービスを提供することを意識しています。また、シンガポールにはご存知の通り、多国籍の企業が、アジアパシフィック地域における統括拠点を置いています。これらの企業のシンガポールの事務所が当社の製品を導入された場合、周辺国の拠点へもビジネスチャンスが広がる可能性があります。このようにシンガポールはハブとして海外に影響力を持つ、という点でも重要なマーケットであるといえるのです」。

ITを含む総合サポートサービスを提供
真のワンストップ・ソリューションへ

リコーシンガポールの主力製品としてレーザープリンターやMFP(Multi Functional Printer/複合機)がある。アジアパシフィック地域におけるリコーの複合機のシェアは、2012年時点で4年連続のNo.1を維持している(IDC調べ)。
「約4年前に進出した高速デジタルプリンターを扱う商用印刷(Production Printing)の分野でもシェアを伸ばしてきています。また、今ではプリンターや複合機もオフィスではネットワーク機器の一部となっており、IT機器です。このような状況に対応すべく、2011年から本格的に総合ITサービスを提供しています。その一環で2012年にはローカルIT企業を買収し、サービスメニューの強化を図っています」。

代理店に頼らない直売のシステムを擁することで顧客のニーズを的確に捉え、サービスに反映することができるのもリコーシンガポールの強みであり、いろいろなサービスメニューをそろえている。
「4月には新製品であるインタラクティブホワイトボードをシンガポール市場に投入します。パソコンのデータを映し出すだけでなく、会議中にディスプレイに書き込み、保存もでき、さらに遠隔地からの画面共有もリアルタイムで可能です。生産性アップに貢献するための、オフィスにおける新しいワークスタイルを提案していきます。また、複合機やプリンターなどのOA機器はもちろん、プロジェクター、TV会議システム、ITシステム、ソフトウェア、仮想化による複数サーバーの1台への集約など、オフィスの困り事、新規設立や移転の際に必要となるものは丸ごとサポートいたします。このようにリコーシンガポールでは、ITサービスを含めた真のワン・ストップ・ソリューションを提供できる体制を整えております。日本人を含めた日系企業様の担当チームもございますのでご相談をお待ちしています」。

スタッフとの関係はあえて人間臭く
「三愛精神」を実践、浸透をめざす

リコーシンガポールは1999年に設立。現在約350名の社員を擁する。2009年にリコーシンガポールに異動した際、日本人駐在員は齋藤氏のみ。当時は離職するローカルスタッフが多いことに戸惑ったという。
「今から思えば、日本からやってきた自分はローカルスタッフに警戒されていたと思います。そこで、アフターファイブは社内の上司、部下という関係ではなく、腹を割って話せる機会を持つためにスタッフと食事に行ったり、飲みに行ったりしてコミュニケーションを図るようにしました。これは今も続いています。このように泥臭いと思われるやり方で、人間関係を築いてきました。リコーには『人を愛し、国を愛し、勤めを愛す』という『三愛精神(The RICOH Way : The Spirit of Three Loves)』があります。この経営理念を実践し、スタッフに浸透していきたいと思っています」。

リコーは今年1月、カナダの出版社コーポレートナイツ社(Corporate Knights Inc.)が選定する「世界で最も持続可能な100社2013 Global 100 Most Sustainable Corporations in the World / Global 100」に選ばれた。企業ガバナンス、環境、社会的取り組みなどの分野における企業価値を総合的に評価するこの「Global 100」が2005年に開始されて以来、リコーは9年連続で選出されている。

奮起して本気で英語に取り組む
会社がくれたチャンスが人生の転機に

齋藤氏は東京で海外事業本部に勤務しているときにシンガポール勤務を希望し、赴任することになった。
「実はその昔、妻に『英語もできないの?』と言われたことがありまして……。それなら見返してやろうじゃないかということで英語を本気で勉強し始めたんです。そして海外事業本部への異動が叶い、シンガポール勤務を実現できました。英語はしゃべった者勝ちだと信じて、ローカルスタッフといっしょに仕事をする中で、がんばって意思疎通をしてきました。今では私を奮い立たせてくれた妻よりも英語が上達したと思います。結婚式をオーストラリアのケアンズで挙げたのですが、当時よりも英語ができるようになった今、もう一度行ってみたいですね。留学も海外に滞在した経験もなかった私にとって、シンガポール勤務はやはりキャリアにおいて、人生において大きな転機になりました」。

齋藤氏は父親から言われた言葉を座右の銘としているという。
「Work hard, Play hard とよく父に言われました。しっかり働く。そして思い切り遊び、楽しむ。この順番を間違うなとも言い聞かされました。遊んでいるときの出会い、経験がビジネスチャンスにつながったりすることもあるので、仕事と余暇のスパイラルをうまく回し続けることが大事なのだと思っています」。

1976年生まれ。立教大学経済学部経営学科卒業後、株式会社リコー入社。政府系機関への営業を担当した後、海外事業本部でグローバル大手企業へのマーケティングに携わる。2008年、RICOH ASIA PACIFIC PTE LTDへ異動し、アジア太平洋地区におけるグローバル大手企業へのマーケティングおよび大手日系企業の営業を担当。2009年よりRICOH (SINGAPORE) PTE LTDにてアシスタントゼネラルマネジャーを務める。

 

 

RICOH (SINGAPORE) PTE LTD
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TEL:6474-0777

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