シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP第6回 シンガポールで老後資金2000万円を作る方法

働く人のための資産運用講座

2019年7月25日

第6回 シンガポールで老後資金2000万円を作る方法

 ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。金融庁が老後資金2000万円の蓄えが必要といった内容のレポートを発表し、日本では大きな話題となりました。

 

 実際、老後に必要な資金は夫婦でどれくらい掛かるのでしょうか。総務省統計局の「家計調査年報(2017 年)」によると、高齢夫婦、無職世帯の 1ヵ月の消費支出および非消費支出の平均額は26万3,717円です。これは、非消費支出の税や社会保障の支払いや、住居費(持ち家前提)、医療費なども込みの金額です。こちらから65歳から90歳までの25年の生活費の総額を出すと、約7,912万円となります。この莫大な生活費を一体何で補うか――大部分は年金です。

 

 夫が会社員で妻が専業主婦という家庭の場合、65歳からの夫婦2人で標準的な年金額は、月額で22万1,504円です(H31年金額 厚生労働省)。このパターンは夫が会社員で、平均的な報酬(賞与含む月額換算)が 42.8万円で40年間就業したケースです。65歳から90歳までの年金の総額で計算をすると、約6,645万円になります。そして前述の生活費の総額から引くと、不足額が1,267万円。この不足額や予備費を老後の資金として貯蓄などで貯める必要があるというのです。

 

 さて、シンガポールの人は老後資金を一体どうやって貯めているのでしょうか。彼らは月収の約2割を CPF(中央積立基金)に、その他にも月収の2割程度を老後のために備えるそうです。CPF に最大限払い込んだとしても老後受け取れる金額は20万円弱。多くのシンガポーリアンは持ち家ですが、老後の生活のために共働きをしたり、長く働いたりして、自分達でも別途貯蓄を作るのです。

 

 『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略』(リンダ・グラットン)によると、若年世代の多くは100歳以上まで生きると予測されており、不足額は2,000万円以上に膨らむ可能性があります。2,000万円と言われると、若年層にとっては途方もない道のりに感じますが、60歳までに30年以上あれば、無理のない積立も可能です。例えば、年利3%で複利運用できれば、毎月3万5,000円の積立額で、30年間で 2,000万円を目指すことができるのです。

 

 日本では 3%の利回りを目指すのは難しいですが、シンガポールではそれが可能です。例えば、養老保険や外国債券など元本が手堅く利回りがよい投資対象など。元手が少ない人は養老保険、ある程度以上のまとまったお金のある準富裕層以上は、外国債券で運用をするのも手でしょう。いずれにしても、老後まで豊かな生活を送るには、どの世代も資産運用は必須になってくるでしょう。

 

著者プロフィール
花輪 陽子(Yoko Hanawa)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
(国家資格)CFP®認定者

『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』 (講談社+α新書)など著書多数。「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演や講演経験も多い。
http://yokohanawa.com/Twitter:@yokohanawa
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この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.348(2019年8月1日発行)」に掲載されたものです。

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