シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP「社会保険の標準報酬月額。月給100万円のはずが62万円に!?」

海外進出「社会保険・労務管理」

2019年5月25日

Q.「社会保険の標準報酬月額。月給100万円のはずが62万円に!?」

~厚生年金の『標月』は62万円が上限~

 私は、渡星して10年近くになる者です。私もあと数年で年金をもらうことになるので、3ヵ月ほど前にねんきんネットに登録して、自分の年金についてあれこれ調べていたのですが、その中にあった『標準報酬月額(以下、標月)』に疑問があります。解説には標月は、給与から計算される旨が記載されていたのですが、当時、自分は100万円もらっていたのですが、給与額よりあきらかに低い金額で登録されています。これは間違いなのでしょうか。(Tさん)

 
 厚生年金、健康保険などの社会保険を理解するために、重要となるのが『標準報酬月額』です。知らない人が多いのですが、実はこの標月は、社会保険の事務処理を簡略化するために考えられた仕組みで、給与や将来支給される年金額までを大きく左右する大変重要なキーワードです。具体的には、給与をおよそ1万円から6万円の幅で区分した等級のこと。これは、早見表として、日本年金機構厚生年金保険料額表(http://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-gaku/gakuhyo/0921.html)にまとめられています。なお、標月は原則として、4~6月に日本法人から支払われる給与の金額を基に決定し、1年間変更されません。
 
 ところで、この等級ですが、厚生年金は8万8,000円~62万円の30等級に細かく区分されています。つまり、厚生年金は、給与が60万5,000円以上であれば標月62万円が上限となっているのです。したがって、たとえ給与が200万円であったとしても、標月は62万円として登録されます。Tさんは、ねんきんネットの標月が62万円として登録されていたのではないでしょうか。その場合は前述の通りですので、問題ありません。万が一、標月が62万円ではない場合は、誤りの可能性もあるため、年金記録を訂正する『年金記録照会申出書』による手続きも含めて、日本年金機構に確認されることをお勧めします。
 
▶ このコラムの回答者
 

 
武澤 健太郎
社会保険労務士法人 大槻経営労務管理事務所 アジア進出担当 執行役員

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