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働く人のための資産運用講座

2019年5月25日

第4回 シンガポールで不動産投資をするには

 ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。日本では会社員で不動産投資をしている人も多いですね。ローンが比較的低金利で借りられ、減価償却費を一定期間は経費にもできるという理由も大きいからでしょう。シンガポールに住んでいる場合、一部のローカル銀行で融資を受けられることもありますが、金利は、日本と比べると一般に高いです。ただし、シンガポールでは株式、債券、一部の保険などの金融資産を担保にして金融機関から現金を借りることができる場合があります。実際にはシンガポール居住者でアジアの不動産を買う人はキャッシュでの購入が多いようですが。

 

 不動産投資をする目的はキャピタルゲインとインカムゲインです。低価格で物件を購入し、高い家賃で貸し出しができれば高い利回りが期待できます。利回りとは、投資金額を1年間でどれくらい回収できるかを%で表したもので、例えば、利回り10%なら、投資金額を10年間で回収できるということ。不動産の利回りでよく利用されるのは表面利回り(Gross)と経費を
控除した実質利回り(Net)という2種類です。

 

 アジア諸国の不動産の「表面賃貸利回り」(Gross)の平均値を比較したランキングによると、最も利回りが高いのがインドネシア(7.4%)、2位がフィリピン(6.13%)、3位がカンボジア(5.33%)、4位がタイ(5.13%)、5位がマレーシア(3.72%)、6位が日本(2.66%)、7位がシンガポール(2.54%)、8位が香港(2.35%)、9位がインド(2.32%)、10位中国(2.1%)、11位が台湾(2.06%)でした。

 

 台湾、シンガポール、香港など成熟した地域では、日本の不動産の利回りよりも低くなっているのが分かります。タイ、フィリピン、マレーシアなどが高い利回りが期待でき人気があるよう。日本よりも高い利回りが期待できるということで東南アジアの不動産を購入する日本人も多いとか。将来、日本に何かあった際に別の国にも拠点を持っておきたいという理由もあるようです。

 

 しかし、近年ではアジアの不動産価格や物価が上がっているのも考慮をする必要があります。例えば、マレーシアのクア
ラルンプール周辺のマンションは3,500万円程度と日本の関東郊外の物件と近い価格になっています。

 

 また、シンガポールの不動産を買う場合は注意をすべきことがあります。シンガポールの国土の大半は国有地であるため、
マンションの所有権もほとんどが99年のリースホールド(定期借地権)となっています。外国人でもフリーホールド(永久所
有権)の物件を購入することができる日本とは違うのです。さらに、シンガポールは政府が不動産価格をコントロールして
おり、外国人に対して高額な印紙税(購入価格の約24%)をかけるというのも注意事項です。

 

 いずれの国や地域でも、不動産へ投資をする際には家賃収入が安定的に入り、値上がりが見込めそうな物件を選定する
ことが大切です。

 


著者プロフィール
花輪 陽子(Yoko Hanawa)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
(国家資格)CFP®認定者

『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』 (講談社+α新書)など著書多数。「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演や講演経験も多い。
http://yokohanawa.com/Twitter:@yokohanawa
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この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.346(2019年6月1日発行)」に掲載されたものです。

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