シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP第1回 シンガポールにいる間にやっておきたいお金のこと

働く人のための資産運用講座

2019年3月8日

第1回 シンガポールにいる間にやっておきたいお金のこと

ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。3月末で本帰国が決まったという人も多いかもしれません。今回はシンガポールにいる間にやっておきたいお金の整理をお伝えします。

 

外国保険とは日本でいう外貨建ての変額保険のような商品で、保険口座に株式・債券・ファンドなどを自由に組み込むことができます。この仕組みを利用することによって、外国保険の持ち分を加入者間で分配することになるので、最低投資額が一般に20 万 USD からの外債、不動産、50 万 USD 程度からのヘッジファンドなどにも、毎月数万円程度から投資できることになります。運用を世界の名だたる生命保険会社のプロ中のプロにお任せをすることができるのです。さらにシンガポールの厳しい規制下で営業をしている生命保険会社ですので、安心してお金を任せることができます。

 

一般的に、保険はコストがやや高めですが、シンガポールの保険会社の多くは10年平均で4%前後のリターンを出しています(Sドル建ての場合)。そのためにコストを上回るリターンを目指すことができるのです。一方で日本の外貨建て終身保険の多くのリターンは 3%程度です(USD 建て)。シンガポールの保険会社の場合、USD 建てだと 5 年平均で 5%以上の場合もあるので、35 年後の解約返礼率を比べると、日本のものが200%未満に対して、シンガポールの場合300%程度になります。保障が大きい終身保険ではなく、最低限で老後のお金を増やす目的の Sドル建ての個人年金保険の場合、35 年後に400%前後になる商品(払込方法にもよる)もあります。

 

外国保険について相談をするには、ファイナンシャル・プランナー、IFA と言われる独立系ファイナンシャルアドバイザー、保険代理店や保険会社に相談をするなどの方法があります。同じ商品でも払込方法や受取り方によって解約返戻金(解約した時に戻ってくるお金)の伸びがかなり変わってくるので、中立的で顧客のニーズを最優先に考えるプロにお願いをするのがベストです。帰国前だとバタバタするかもしれませんが、日本に帰った後だと購入が原則できないので、一度お金のことを整理してみたいですね。

 

最後に、銀行口座の送付先住所を変更するなど各種手続きも合わせて済ませておきたいものです。ワンタイムの暗証番号を飛ばしている携帯電話も解約前に変更しておいたほうがよいでしょう。金融機関によって手続きや要件が変わるのでご自身でご利用の金融機関に確認をしておきましょう。また、公募の投資信託もシンガポールの方が良いものがたくさんあります。帰国後も売買ができるようにプラットフォームを開設しておくのも一つです。

 


花輪 陽子(Yoko Hanawa)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、(国家資格)CFP®認定者
 
『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』 (講談社+α新書)など著書多数。「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演や講演経験も多い。
HP:http://yokohanawa.com/
Twitter:@yokohanawa
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この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.343(2019年3月1日発行)」に掲載されたものです。

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