シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP「健康保険の扶養に入れるのは1月からじゃなかったの!?」

海外進出「社会保険・労務管理」

2018年11月30日

Q.「健康保険の扶養に入れるのは1月からじゃなかったの!?」

~扶養の要件を満たしたタイミングで加入できる~

私は現在単身赴任でシンガポールに5年前から住んでいる者です。日本に住んでいる妻が、11月末に会社を辞め渡星する予定です。妻の年収が2018年だけで既に300万円程あるようです。たしか、健康保険の扶養になるためには年間収入が130万円未満でなければならないといった話を聞いたことがあるのですが、私の扶養には、来年1月からなれるということでよろしいでしょうか。(Bさん)

健康保険の被扶養者となるためには、①被保険者の3親等内の親族であること(続柄で同居要件あり)、②主として被保険者により生計を維持されていること、このいずれの要件も満たす必要があります。そして、②の『生計が維持されている』とは、被扶養者の年収が130万円(月収10万8,000円)未満でかつ、被保険者の年収の1/2未満であること(同居のケース)または被扶養者の収入が仕送り額より少ないこと(別居のケース)が要件になっています。

 

ところで、上記年収の考え方ですが、健康保険の場合は税金と異なり、今後将来に向かって『被扶養者の収入がいくらになるのか』という考え方をします。つまり、12月以降の収入で考えるため、税金のように1月から12月の1年間で年収をみるわけではないのです。したがって、奥様の収入がすでに130万円を超えている場合であっても、会社を退職し、無収入で失業保険も受給しないのであれば、退職した時点で要件を満たしていることになるため、扶養になることができます。

 

なお、健康保険の扶養は、原則遡って手続きはできませんので、事前にお勤め先の担当者に添付書類等を確認して、早めに手続きを進めた方が良いでしょう。

 

なお、国民年金第3号被保険者にも該当しますが、こちらは健康保険の扶養と異なり、退職日まで遡って手続きすることができるため、こちらも合わせてお勤め先の担当者に確認して進めてください。

社労士大槻オフィスシンガポール

80 Robinson Road #10-01A Singapore 068898
ご相談は、Emailにてご連絡ください(担当:武田 正行)

文=社労士大槻オフィスシンガポール

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.340(2018年12月1日発行)」に掲載されたものです。

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