シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP第4回 採用を組織見直しの機会に

アジア人事課題解決

2018年9月29日

第4回 採用を組織見直しの機会に

 


SCASS社は、化学分析の老舗「住化分析センター」のシンガポール法人。1997年設立以来、石油化学、化学、電子、環境などの各産業各工場に対して、原材料や製品品質の分析・評価サービスを提供している。近年は各方面からの水質関連の分析ニーズも増えている。

 
 
 

シンガポール人ラボマネージャーに長年、分析現場を任せてきた同社。同マネージャーの定年退職を前に、1年程前から採用活動を始めたが、後任がなかなか決まらず、退職日が迫りくる中で引き継ぎが無事行えるか肝を冷やしたとのこと。「現地の人で探していましたが、専門知識はもちろん、マネジメント力も必要という業務の特殊性から適任者が見つからず、諦めの気持ちにもなりかけました。結果的に、前任者の退職直前に海外で研究職経験を持つマレーシア在住の日本人の方で採用が決まり、なんとか引き継ぎも間に合いました。最後のさいごで良い方に巡り合えました」と安堵した表情で当時の様子を振り返る仲嶋さん。新しい日本人ラボマネージャーのもと、社内の雰囲気にも変化が表れてきているという。「ベテランマネージャー時代はトップダウン型。経験は豊富ですが、新分野への挑戦には保守的でした。一方、マネージャーが20歳若返った現在は、新分野への挑戦にも積極的で、新たな分析手法にもスタッフ全員で協力して取り組んでいこうという姿勢が出てきているのも事実です。また、日本人の強みを活かして日本本社との意思疎通をより円滑にできると共に、現地採用としてシンガポールのラボの長期的安定性に大きく寄与してくれるだろうと感じています」。

 

ベテラン社員の退職の際、新たな人材確保が思うように進まないケースは少なくありません。原因の一つとして、前任者と全く同じ力量を持つ即戦力人材を求め過ぎるあまり、候補者が見つからないという理由が挙げられます。そんな時は、発想を転換してみてはいかがでしょうか。「こういう人材でなければならない」という思い込みを捨て、事業が目指す方向、組織のあるべき姿から、新しく採用する人材の要件を決める。その上で、期限が限られた採用活動の場合は、人材マーケットを見ながらポジションの必須要件を柔軟に描きなおしていくことが大切です。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.338(2018年10月1日発行)」に掲載されたものです。

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