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海外進出「社会保険・労務管理」

2018年7月29日

Q.短期在留外国人。払った年金保険料は戻ってくる?~脱退一時金の手続きをすれば一部返金も可能~

私は最近、妻を帯同しシンガポールに渡星した者です。私の妻はベトナム人で、日本に住んでいた時、3年ほど会社に勤め、厚生年金にも加入していました。たしか日本の年金は、保険料を数十年間払わないと将来年金をもらえない制度だったと思いますが、妻が払った保険料は掛け捨てになってしまうのでしょうか。以前どこかで返金してもらえるような話を聞いた覚えがあるのですが、もしあれば教えてください。(Wさん)

奥さまが支払った厚生年金保険料は、脱退一時金を請求することで一部を返金してもらえます。

 

脱退一時金は、外国人のうち年金の受給権を満たしていない方のみ請求できますが、具体的には、①年金の加入期間の合計が6カ月以上あること、②日本国籍を有しない方であること、③老齢厚生年金等の年金の受給権(保険料納付期間等が10年)を満たしていないことが要件になっています。脱退一時金の金額は、被保険者であった期間の平均標準報酬月額×支給率によって計算されます。なお支給率は、保険料率×1/2に厚生年金に加入していた期間に応じた6~36(3年以上は36)を掛けて計算されます。例えば、厚生年金に3年加入し、平均標準報酬月額が26万円の場合は、26万円×36×9.150%(H30年)=856,440円がもらえるわけです。

 

脱退一時金の手続きは、請求書に①パスポートの写し、②振込口座および請求者本人の口座名義であることが確認できる書類、③年金手帳等基礎年金番号が確認できる書類を添付して日本年金機構に対して手続きを取ることになります。なお、脱退一時金は、国民年金、または厚生年金保険の被保険者資格を喪失し、日本を出国した場合、日本に住所を有しなくなった日から2年以内に請求しなければなりませんので、ご注意ください。

社労士大槻オフィスシンガポール

80 Robinson Road #10-01A Singapore 068898
ご相談は、Emailにてご連絡ください(担当:武田 正行)

文=社労士大槻オフィスシンガポール

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.336(2018年8月1日発行)」に掲載されたものです。

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