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REAL ESTATE in SOUTH EAST ASIA REPORT

2018年5月26日

最終回 東南アジアの不動産投資、今するべき?

インドネシア 〜オフィス編〜

世界的に経済成長のスローダウンが指摘される中、2017年のインドネシアのGDP成長率は5.07%(2016年5.03%)を記録、IMFによる今年4月時点の推計によれば、2018年は5.3%と予測され、東南アジアの中でも高い成長率を維持している

 

 

政権の安定、租税特赦法に対する世界的な評価、政策金利(現在4.25%)によるインフレのコントロール、ルピアの安定推移などにより、東南アジアの中でもインドネシア経済の堅調さが際立っている

 

一方、不動産市場に目を転じると、インドネシアのオフィス市場は芳しくなく、特に、ジャカルタCBDは新築ラッシュで需要が追い付かず空室率は約20%超まで急上昇。Cushman & Wakefieldの調査によると、2017年末時点のジャカルタCBDの供給床は約600万㎡で、今後更に約130万㎡の供給予定があり、2018年に入っても回復の兆しが見えていない。この供給量は、シンガポールCBDと同等かそれを上回る水準なので驚きである。バンコクCBDは半分程度、ホーチミンCBDは30%程度の供給量なので、他国と比べると供給過剰な状況がうかがえる。

 

賃料水準は、日本を100とするとジャカルタの賃料水準は30程度。ちなみにホーチミンは日本の50~60と東南アジアの中でも高い水準にあるが、バンコクはジャカルタより若干低い30弱に留まっている。

 

それでもなお、ジャカルタのオフィス市場の投資を薦めたい理由は、オフィスの区分所有売買が浸透しており少額で優良物件への投資が可能な点、2019年3月にMRT運行開始が予定されており、渋滞の解消や駅周辺整備により「歩き辛さ」の改善が期待できる点、バンコクやホーチミンの優良物件の投資利回りが5~6%と過熱感がある中、ジャカルタの投資利回りが8%程度と高利回りが期待できる点である。ジャカルタの不動産市場の透明化は他の東南アジア諸国より速いスピードで進んでいるとJLLのリポートにあるが、それが本当であれば、「今が買い時」と海外投資家の投資が一気に進むであろう。

 

森ビルが2021年の竣工を予定し、ジャカルタ・オフィスタワープロジェクトを推進している。東南アジアでは高いビル賃料が見込めないので住宅分譲事業が中心というステージを終え、次のステージの幕が上がっている。日系投資家たちの活躍を当地で間近に見られることにワクワクしている。

プロフィール

浅野 美穂(あさの みほ)

大和不動産鑑定シンガポール現地代表・大和不動産鑑定株式会社執行役員・不動産鑑定士(日本)・MRICS・再開発プランナー(日本)
愛知県生まれ。上智大学法学部卒、マンションディベロッパーを経て不動産鑑定業界へ。2000年(平成12年)鑑定士登録。趣味は家族との海外旅行。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.334(2018年6月1日発行)」に掲載されたものです。

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