第2回　元祖仮想通貨！ビットコインの歴史

こんにちは。海外資産運用アドバイザーの三方麻琴です。

 

前回は仮想通貨とはどういうものか、仮想通貨と法定通貨との違い、ブロックチェーンの仕組みをお伝えしました。仮想通貨が、世の中を変える革新的なものであるということを少しでも感じていただけましたでしょうか？

 

今回は、数多くの仮想通貨の中で最も代表的なものである『ビットコイン』（BTC）について、その歴史を振り返ってみましょう。

 

 

ビットコインの誕生

ビットコインが仮想通貨の元祖であるため、ビットコインの歴史は仮想通貨そのものの歴史と密接に繋がっています。

 

ビットコインの始まりは、2008年にサトシ・ナカモトを名乗る人物が、インターネット上にビットコインについての論文を投稿したことがきっかけでした。サトシ・ナカモトはいまだに表舞台に出てきておらず、謎が多いのですが、この論文に興味を持った世界中の研究者やプログラマーが開発を進め、2009年にビットコインが初めて発行されました。

 

ただし、発行されてすぐにビットコインの取引が行われたわけではなく、当初は、“ビットコインが通貨として本当に機能し得るか”を検証する、というものでした。ビットコインが通貨として価値を持つのは、翌2010年のことです。

 

“ピザ購入”が最初のビットコイン取引

2010年、ビットコインが初めて通貨としての価値を持つ出来事がありました。アメリカ在住のプログラマーがピザ2枚を1万ビットコインで購入し、商取引が成立したのです。

 

当時のビットコイン価格を2018年3月5日時点のビットコイン価格に換算すると、なんと“約120億円”にもなります。あくまで黎明期の価格ですが、ピザ2枚分だった仮想通貨コイン1枚の価格が、10年足らずで100億円以上となるなんて、想像を絶することです。

 

商取引が実際に行われたことで、その後ビットコインが加速度的に普及し、ビットコイン価格も上昇していきます。2012年に起きた「キプロス危機」では、キプロスが発行する自国通貨よりもビットコインを保有する方が信頼性が高いという考えから、価格が大きく高騰しました。他にも、金融機関を介せず、非常に安い手数料で瞬時に送金ができるという特性も、普及を後押ししました。

 

ビットコイン破綻？マウントゴックス事件による暴落

登場以来、順調に歩みを進めていたビットコインですが大きな試練が訪れます。

 

2014年、当時世界最大級のビットコイン取引所であったマウントゴックス社で、ハッカーによって多額のビットコインが盗難され、経営破綻してしまう事件が起こったのです。これによりビットコイン価格も大きく下落することになりました。

 

当時、多くのメディアで同事件が報じられたことから、ビットコインや仮想通貨という名称自体をこの時初めて知ったという人も多く、世間的には「ビットコイン＝怪しい、詐欺、危険」というイメージが定着してしまいます。読者のみなさんの中にもマウントゴックス事件が知るきっかけだったという方は多いのではないでしょうか？

 

長い冬の時代を越えて

マウントゴックス事件により、“ビットコインは危ない”という誤ったイメージが世間的に定着してしまった一方で、ビットコインを含めた仮想通貨業界自体は順調に成長していきます。

 

デルやエクスぺディア、マイクロソフトなどアメリカの大手企業がビットコイン決済を開始し、日本でもビックカメラ、HISなどが続々とビットコイン決済を始めています。

 

併せて、仮想通貨取引所も国内外で続々と増えてきており、日本では、古参のビットフライヤーやコインチェックの他、DMMのような大手企業や、SBIといった金融機関も取引所への参入を予定しています。

 

また、次回以降で改めてお話ししますが、ビットコイン以外の「アルトコイン」と呼ばれる他の仮想通貨もそれぞれの特徴を活かして実用化され始めており、仮想通貨業界全体として、かつての悪印象は払拭されつつあります。

 

最近も、コインチェック社による仮想通貨流出事件があり、多少の影響は出ていますが、仮想通貨破綻といった懸念の声は少なく、ある意味後戻りができないところまで市民権を得ていると言えるでしょう。

 

今回は、時系列でビットコインの歴史をみなさんと一緒に見てきました。

 

次回は、ビットコインがどういった特徴を持っているのか、についてお話しますので、お楽しみに。