シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP第5回 良かれと思ったことが裏目に出る男女脳

職場の人間関係に生かす、男女の脳の違いとは?

2018年1月31日

第5回 良かれと思ったことが裏目に出る男女脳

部内会議で決まった新企画案は、社長の承諾が得られるか危ぶまれるものだった。しかし、なんとか社長に快諾してほしいと、男性脳の部長は関係部署に根回しをして、担当役員にプレゼンして、と段取りを考えていた。そんなとき、入社2年目の女性脳社員が、「部長、あの新企画、さっき社長とすれ違った時に話したら、OKですって。これで、すぐに取り掛かれますね!」と得意げに報告。部長は、つい、「そういうことは私を通すように」と怒鳴ってしまった。

 

さて、このとき女性脳は、なぜ男性脳が怒ってしまうのかわかりません。臨機応変な女性脳は機転を利かせて、難題の社長の承認を取ることができたのだから、ほめられてもいい快挙なのに、なんで不満なの?部長や部署のみんなのために良かれと思って頑張ったのに、と。

 

空間認識から秩序を重んじる男性脳
機転を利かせて階層を飛び越える女性脳

 

男性脳は、女性脳が役職を超えるという秩序を乱すことが大変不快で、理解できません。社長の承認が取れたのはよかったのですが、勝手な女性脳のせいで、他部署の協力をどう得るか、担当役員になんと言ったらいいのやら……と後始末が大変です。

 

男性脳は、空間認識に長けていて、人間関係の上下の位置にも敏感なのです。会社の組織や取引先、株主、お客様などの関係も俯瞰しています。社内の男性脳全員が、無意識に階層組織の秩序を保って仕事をしているのを女性脳は知らないので、新入社員教育で、社内秩序の説明が必要だったのです。

 

男女脳差理解による ダイバーシティ・コミュニ

 

多くの組織で、階層組織の秩序を守るのが当たり前なので、女性脳にこの教育をしません。このため、女性脳が頑張って働けば働くほど、社内評価が下がってしまうということが起きます。会社のため、顧客のために、チャンスと思ったら、上司に相談なんて後ですればいいと臨機応変に動き、仕事の成果を上げ、本人も、とても熱心に仕事をしていると思っているし、業績も顧客の評判も大変いいので、自分が思うほど社内評価が高くないことに女性脳は不満を募らせます。顧客や取引先から人気の女性脳ほど、報われない気持ちで会社を辞めてゆくことになるのは、こういった背景があるからなのです(実は、あまりにも古い秩序なら、女性脳の行動が組織改革にもつながって、良い効果を生む場合もあるので、秩序教育をしない女性脳が必要な会社もあります)。

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