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新規進出企業レポート

2017年12月24日

HULS ASIA PACIFIC PTE. LTD. 日本のものづくりで社会を変える、デザインの力を信じて日本工芸品のギャラリーをオープン

業界: クリエイティブカンパニー

デザインと、商社ビジネスと、ものづくりと
トライアングルの経験をいかした挑戦

2017年9月、HULSがギャラリーをオープンさせた。シェフを主なターゲットに、器等の日本の工芸品を展示・販売する場だ。開設に至る背景には、CEO・柴田裕介さんの「デザインの力」への想い入れがある。

 

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HULS ASIA PACIFIC PTE. LTD.
CEO & Founder 柴田 裕介 氏

 

「大学卒業後にウェブデザイナーとして働いた後、エレクトロニクス素材の専門商社へと転職しました。1990年代後半から2000年代前半にかけて大手エレクトロニクス企業の当地への進出が続き、そこに紐づいて私が所属した会社もシンガポール拠点を開設。同社で海外事業を経験する中で、商社ビジネスにこそ「デザインの力」が必要では、と考えるようになりました。というのも、エレクトロニクス製品を扱う中小メーカーのウェブサイトは魅力的な情報が不足していて、カタログが整備されていないことも多いのです。商社としてメーカーと差別化を図るために、学んできたデザインの力がきっかけになるのでは、と。クリエイティブの力で社会を変えることを目指し、2013年4月に東京でたちあげたのがHULSです」(柴田さん)。

 

彼の情熱は次第に工芸品に向けられていく。それは、世界に貢献できる切り口の1つに、日本のものづくりがあることに気がついたからだそう。「多様な価値観を持つ海外の人の方が、イノベーティブな事業を展開するのは得意です。一方で手間ひまをかければかけるほど良くなるものは、じっくり考えることに慣れている日本人に向いている気がします。工芸品こそ、丁寧な行程を経て生まれる、高品質で、季節感が表現された日本らしい創造物であり、世界に誇るべきものです」(柴田さん)。工芸品を海外に広めるべく、2015年8月、当地にHULS Asia Pacificを設立した。

 

工芸品事業の展開にあたっての障壁も、資料不足。英語での情報や質の高い写真など、海外向けの資料が必要だった。そこでウェブ制作の経験を生かし、2016年4月、情報サイト『KOGEI STANDARD』をスタート。日本工芸の産地を取材し、作り手の声を届けることに。「工芸品のルーツやそこで働く人の魅力を知って欲しい。器は何気なく使うものですが、その背景を知ることで、使う時に気持ちが豊かになります」と柴田さんは話す。

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