2017年12月11日
第9回 時流の変化〈能力・情意からコンピテンシーへ〉
人事評価制度の変遷をお伝えした前回に続き、連載第9回目は「評価要素と評価手法の趨勢」を見極めます。
1960年代後期台頭の、職能資格制度で掲げられた人事評価の3要素である「能力」、「情意」、「成績」。時代を経ることにより、それまでの「能力」「情意」は業績につながる目に見える行動を評価する「コンピテンシー評価」へ、「成績」は実際に目標をどれぐらい達成できたかを評価する「目標管理制度(MBO)」へ置き換えられていきます。
そして現代、多くの企業が人事評価の意義を見直した結果、その評価手法を各人の意欲を引き出すモチベーション戦略のツールとして活用する段階に達したのです。
しかし、モチベーションとは人それぞれなので、意欲を引き出す作業は一筋縄ではいきません。評価要素の中身についても個別対応が必須となり、細かな調整を繰り返す必要が生じます。
さらには、コンピテンシーという言葉も幅広い概念で捉えられています。「高い成果を安定的に生み出す職務行動」をいかに定義・評価するかは、企業によってさまざまなのです。
この人事評価プロセス自体を「マネジメントツール」として機能させる取り組みを、今すぐ始めませんか?限られた人材の効率的活用に欠かせない「能力発揮・開発の意欲」を引き出すマネジメント手法を、あしたのチームを通じてぜひ取り入れてください。
著者プロフィール
あしたのチームシンガポール
Managing Director & CEO
田尾 豊
1980年生まれ。横浜市青葉区出身。駒場東邦中・高校、慶應義塾大学経済学部卒業後、コンサルティングファームにて経営戦略立案、組織・人事戦略立案、業務プロセス改革などを経験。コンサルティング時代に「どこまでいっても突き詰めると組織の課題は“人”だから・・・」という経営者たちの言葉に強い課題意識を持ち、2014年HRコンサルティングのベンチャーである株式会社あしたのチームに入社。
2015年に台湾法人を立上げ2年で黒字化達成。2017年からはシンガポール法人を立上げ営業開始。
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.328(2017年12月1日発行)」に掲載されたものです。