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新規進出企業レポート

2017年11月24日

DOREMING PTE. LTD. その日、働いた給与を電子マネーとして使用可能にする、革新的フィンテック企業

英国大使館が認めた給与計算システムで
労働者の救済を目指す

ドレミングは、勤怠管理システムを開発する「キズナジャパン」から、給与計算システムの開発チームをスピンオフする形で2015年6月に創業した。通常の給与計算システムは月の締め日を迎えた時に計算を行うが、同社が提供するのは、1日の勤務が終わった段階でその日の給与が計算できるクラウド型サービス。月の締め日が企業によって異なったり、24時をまたぐ勤務体系の人がいたりと、企業ごとの差を埋める処理は非常に複雑で、オンラインで誰もが利用できるサービスとしての提供は不可能とされてきた。

 

また同システムは、その日の給与が確定して企業側がそれを承認すると、労働者はすぐにその給与にアクセスし、電子マネーとして使用可能。給与が銀行口座に振り込まれることなく、使用できるのだ。口座に預金を持つ人にとって、給与がすぐ使えるメリットは、正直、ピンとこないかもしれない。が、当地やマレーシア、タイを除く東南アジア諸国における口座保有率は30%前後にとどまる。「口座を持たない場合、手持ちの資金がなくなったら借金をするしかありません。海外では借入利息が年300%を超えるケースもあり、そうなると、借金と返済を繰り返すことになってしまう。こういった負のスパイラルに陥る人びとを救い、彼らの生活を安定させることを目指して考案したのが、働いたお金をすぐ使えるようにする仕組みです」と桑原さんは話す。

 

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DOREMING PTE. LTD.
CEO 桑原 広充氏

 

起業段階から、海外、特に東南アジアでの展開を想定していたが、海外進出の第一歩は、イギリスで踏み出した。「欧州には深刻な移民・難民問題があります。金融サービスを受けるには、自分が誰で、どこで働き、どのような財政状況か、与信力を示す必要があるのですが、その手立てを持たない人が多く、我々の存在を知った在日英国大使館が、彼らの救済策となるのではとお声がけくださいました」(桑原さん)。こうして2016年2月にイギリスに海外法人を初開設し、今年6月、当地に現地法人設立を果たした。

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