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航空サービスの舞台裏

2017年7月26日

サービスの裏側(機内編)

はじめまして、ANAシンガポール支店です。今月から4回にわたり、航空会社の裏側を少しずつご紹介します。

現在、世界には大きく分けて2つのカテゴリーの航空会社があります。多様なサービスが運賃に含まれる“フルサービスキャリア”と呼ばれる航空会社と、シンプルに座席だけを提供し、その他のサービスは要望に応じて「支払えば提供される」という構造の“ローコストキャリア(LCC、格安航空会社)”と呼ばれる航空会社の2種類です。

 

フルサービスキャリアであるANAは、グループ全体で「お客様志向」を徹底し、日本の航空会社として、心のこもった日本らしいおもてなしを提供すべく努力しています。特に客室乗務員は、航空会社の「顔」です。機内の安全確保のために必要な知識・訓練だけでなく、お客様が求めるサービスを的確に把握して対応するための訓練も受けています。

 

web324_Fig1_CA-BriefingANA客室乗務員(Cabin Attendant、CA)のサービスは、お客様を機内でお迎えする前から始まっています。出社後、CA全員で行うフライト前の打合せ(ブリーフィング)では、お客様の予約情報やサービス手順の確認を行う中で、予測されるニーズや求められるサービスについて具体的にイメージを膨らませていきます。例えば、ビジネスでANAを頻繁に利用される方が多く搭乗される便では、「機内アナウンスは最小限にして静かな環境を整えよう」や、女性や家族連れが多いリゾート路線では「よりこまめに化粧室の清掃を行って快適な機内空間を維持しよう」や、さまざまな配慮をしています。定められたサービス項目に加えて、その日そのフライトに特化した方針を出発前にCA全員で一致させておくことは、より快適な空の旅を提供するためにとても大切なポイントとなります。

 

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ブリーフィングが終わると機内出発準備のためCAは飛行機へ向かいます。常に「お客様の視点」を意識することは、ここでも例外ではありません。安全装備の点検、座席の点検、サービス物品の品質チェック、機内食や飲み物の搬入確認など、確認項目は多岐に渡りますが、飛行機に乗り込むやいなや、各CAが機内でそれぞれ定められた受け持ち担当エリアを中心に、限られた時間内の中で分担して作業を進めていきます。使用する飛行機が遅れて到着している際などは特に慌ただしくなりますが、お客様に約束している定刻の出発に向け、確実かつ迅速に準備を進めます。また、空港地上係員とのブリーフィングではお客様情報の最終確認を行います。お手伝いの必要なお客様に関してはとりわけ配慮を欠かさないよう留意しています。例えば、小さなお子様連れのお客様からベビーベッド装着のご要望をいただいている際はベッドの装着状況を確認し、万全な状態でお客様をお出迎え出来るように準備します。出発準備の最終段階として、お客様をお迎えする前に運航乗務員(パイロット)も含めた最終ブリーフィングも行います。

 

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フライト中は、あらゆるシーンで更なる目配り・気配り・心配りが求められます。飛行機には日々さまざまなお客様が搭乗されます。ご要望を直接伝えて下さる方はありがたいのですが、特に日本人の方の中には、CAに声を掛けづらいと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。ANAでは、お客様がお休みになる時間帯も含め、必ずいつも誰かが機内を巡回するよう徹底しています。お客様の座席周りの様子や表情など、ニーズを察知する要素はたくさんありますが、いかにタイミング良くそこに気づけるかどうかが私達の腕の見せ所です。顔色の優れない方はいないか、お子様連れの方は何かお困りでないか、常にアンテナを張り、気になる情報はCA間で共有することで、お客様から声を掛けられる前にCAからお声掛けして、サービスやその後のシームレスな対応に生かしていきます。

 

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お客様一人ひとりの状況やニーズに応じた細やかでさりげない気遣いや日本らしいおもてなしの演出こそ、ANAの目指すホスピタリティです。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.324(2017年8月1日発行)」に掲載されたものです。

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