2017年5月31日
第3回 デモトレードで練習しよう(後編)
会社の給料もなかなか上がらないし、老後にちゃんと年金がもらえるのか心配……お金に関する不安は多くの人が抱えているはず。このコーナーではM&R Partnersの三方麻琴氏が、初心者の人にも分かりやすいよう資産運用のポイントを解説、 実際に利益を出すまでの手順についてレクチャーします。
3回目となる今回は、決済のタイミングなどについて見ていきます。それと同時に、トレードの考え方についても説明していきます。
編集I:前回は、デモトレードでエントリーするところまで解説していただきました。今回は決済のタイミングについて見ていきたいと思います。
前回購入したADP株は、購入時点で101.71ドルでした。4月27日頃までは上昇しましたが、5月5日時点では99ドル台に下落しています。この場合、どのタイミングで決済すればいいのでしょうか。
三方:利益確定のタイミングには複数のパターンがありますが、基本の1つとして「20日移動平均線が40日移動平均線を下回り、40日移動平均線が水平、または下向きになったとき」というものがあります。移動平均線とは、その日から過去一定期間の終値の平均値を1日ずつずらしてグラフ化したもので、テクニカル分析の代表的な指標です。ただし今回についてはそのパターンではなく、例外である「決算日の前に利益確定をする方法」での決済となりました。
なぜなら米国株式では、その企業の決算日に株価が大きく変動することがよくあるからです。これは、決算の内容(ファンダメンタル)を見て売買する人が多いということを指します。決算の内容が一般的に見て良い結果であっても、投資家の期待を上回るものでなければ売りが入り、大きく下がってしまうこともあるのです。もちろん、良い結果の場合は急騰することもありますが、決算内容を予測することは出来ないので、一か八かに賭けるより、一度利益確定をしてしまうことが短期投資の場合は得策です。
今回は決算日の前々日(5月1日)に、$104.08で決済しました。利益は$20.81、利回り+2.33%となりました(決済手数料は除く)。目標の利回りには達していませんが、その後の大きな暴落を避け利益を確保することができました。
編集I:自分が保有している、またはこれから買おうとしている銘柄については、しっかり決算の日程を把握しておくことが大事ですね。各企業の決算発表のスケジュールは日本の証券会社も発表しているので、ウェブで見るようにします。