シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP成功する英語プレゼンの準備のコツ

シンガポールで実践!英語プレゼン

2017年5月31日

成功する英語プレゼンの準備のコツ

~3つのプロセスに分解し、1つずつハードルを越えていこう~

「来月に大事な英語プレゼンが控えている。しっかり備えたいが、さて一体何をどう準備したらいいのか……?」そう頭を悩ませる人は少なくないのでは?今回は準備のコツをお伝えします。

 

準備におけるキーワードは、ズバリ「分解」です。準備工程を分解し、1つ1つハードルを越えていくことがポイントになります。そのうえで前提になるのが、母国語で考えて内容を練り上げ、その上で英語に直すこと。ある調査によれば、第二言語を使うだけで思考力が30%落ちるというデータが出ています。

 

では、実際どのように資料を準備するか?これは①話す内容を決める②構成を考える③図解で表現する、の3つに分解します。それでは1つずつ見ていきましょう。

 

まずは①話す内容を決める。このフェーズでは構成や言い回しなどを気にしてはいけません。とにかく漏れなく出し切る。その際、「伝えたいこと」と「相手が聞きたいこと」の2つの観点で考えると分かりやすくなります。前者なら紹介する製品の特長や競合他社との違い、後者なら聞き手の困りごとや解決法などがこれに当たります。

 

その上で②構成を考えるプロセスに移ります。実は、グローバルスタンダートと言えるプレゼンシナリオの型があり、我々はサンドイッチフォーマットと呼んでいます(図1参照)。このフォーマットは大きくイントロ、ボディ、コンクルージョンの3部で構成されており、イントロではプレゼンのテーマやゴールを示し、聞き手が抱えていそうな問題を提示します。その上でボディでは、メインメッセージ(=コアコンセプト)とそれを支える3つのポイントならびに詳細を説明します。コンクルージョンは「締め」のようなもの。ボディで言及しきれなかったものに触れます。導入のステップや使用者の声といったものが典型的です。起承転結を意識すると前置きが長くなり、分かりにくいプレゼンになりがちですが、英語プレゼンでは特に結論ファーストのプレゼンが好まれるので、サンドイッチフォーマットによる構成をお勧めします。

 

最後に③図解による表現です。こちらは図2を参照ください。プレゼンにおける資料の一番の役割はあくまでも「聞き手の理解の促進」です。したがって、論理を図で示したものを中心に表現すべきです。

 

ここまで作り込んでから英語に直します。英訳も決して簡単ではありませんが、プレゼンの根幹になるのはロジックです。上記のステップに沿って準備すれば、やや英語が稚拙でも十分伝わるはず。自信を持ってプレゼンに臨みましょう。

 

<322web_BizColumn_Figure1
322web_BizColumn_Figure2

 

本コラムの著者西野氏からのメッセージビデオはこちらから。

 

西野氏執筆ビジネスマン必読のコラム多数掲載!
http://www.mercurich.com/category/writer1/

プロフィール
320web_Nishinosan_130623_1西野 浩輝 マーキュリッチ株式会社 代表取締役 Chief trainer

米テンプル大 Executive MBA(経営学修士)、大阪大学大学院 工学科専攻修了。リクルート在籍中に部門初のMVPに2度輝くなど、トップ営業として活躍。その後、世界最大の教育コンサルティング企業アメリカン・マネジメント・アソシエーションにヘッドハンティングされ、4年半トップ営業であり続けた。2003年にプレゼンテーション専門のコンサルティングを行うマーキュリッチを創業し、10数年に渡って5万人近いビジネスパーソンを指導。一部上場企業の経営者から新人まで対象層は幅広く、顧客数は300社を超える。「プレゼン力はフィードバック力」のコンセプトのもと、受講者の分析力・フィードバック眼を鍛えることを通じて、短期のトレーニングで成果を実現する。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.322(2017年6月1日発行)」に掲載されたものです。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP成功する英語プレゼンの準備のコツ