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星・見聞録

2017年5月31日

チャンギ国際空港の開発最前線

2.第4ターミナルは今年後半に営業開始

322web_image1現在同空港では、施設の拡張に向けて複数のプロジェクトが進められている。主要プロジェクトのひとつである第4ターミナルは昨年12月に完工しており、今年後半にも営業を開始する予定だ。第4ターミナルは小型機用の駐機場を17ヵ所、大型機用を4ヵ所備え、キャセイパシフィック航空や格安航空のエアアジアらが入居する予定。取り扱い可能な旅客数は年間1,600万人にのぼり、第1~3ターミナルと合わせると8,200万人に達する見通し。既存ターミナルにおける混雑の緩和も期待されている。

 

今年5月には、第4ターミナルに入居する80あまりの小売店、飲食店などが全て決定した。同ターミナルのトランジットエリアには、プラナカン風のショップハウスを模した店舗も設けられるなど、観光客向けにも趣向を凝らした造りになる見通しで、営業開始に向けた準備は着々と進んでいる。

 

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322web_Construction-site_IMG_5947総合商業施設「ジュエル」には高さ40メートルの人口滝
2014年より、第1ターミナル隣でドーム型の総合商業施設「ジュエル」の建設が始まっており、2019年に開業する予定。施設は地上5階、地下5階建てで、300以上の小売・飲食店が入居するほか宿泊施設も整備される。第1~3ターミナルやMRTの駅とも接続される予定だ。

 

世界的に著名な建築家であるモシェ・サフディ氏が設計した特徴的なデザインのこの施設、内部には樹木が植えられ、高さ40メートルの滝も建設される予定。Jewel Changi Airport Devtのヒュン・ジーンさんによると、屋内に建設される人口の滝としては世界最大とのことで、乗り継ぎ客らが活用するショッピングスポットとして注目を集めることになりそうだ。

 

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第5ターミナル稼働で、取り扱い旅客数は年間1億人以上に

さらに、既存施設の東側にあるチャンギ・イーストと呼ばれる埋立地には、第5ターミナルと新しい滑走路が建設される。第5ターミナルの完工は2026年の予定で、第1~4ターミナルと合わせた取り扱い旅客数は年間1億3,500万人と大幅に増加する見通しだ。第5ターミナルには、2019年から2024年にかけて営業を開始する予定のトムソン・イーストコースト線とクロス・アイランド線との接続が検討されている模様で、市街地へのアクセス向上も期待されている。

 

空港の拡張工事に伴い、周辺でも工事が進んでいる。海岸沿いでは、第3滑走路と第5ターミナルが建設される区画と、既存の滑走路とターミナルがある区画を分断する形で通っていたチャンギコースト・ロードが閉鎖され、代わりに第5ターミナルが建設されるチャンギイーストエリアを囲む形で、新しい道路が建設されている。新道にはサイクリングロードも併せて整備される。

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