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海外進出「社会保険・労務管理」

2017年5月29日

Q.妻が就職。健康保険の扶養から外す必要あり?~扶養の範囲と具体的な手続き方法~

シンガポールの現地法人に3年ほど前から家族帯同で出向しています。生活に慣れたからか、一緒に来ていた妻がこちらで働くことを希望しているのですが、日本で加入している健康保険の扶養がどうなるのか気になっています。妻の月収は2,200Sドルほどになる見込みですが、この場合は扶養から外さなければいけないのでしょうか。また、その場合はどのような手続きが必要なのでしょうか。(T社 Aさん)

健康保険は、従業員本人(被保険者)だけでなく、その従業員に養われている一定の家族についても、条件を満たせば保険給付の対象となります。この家族を被扶養者といい、被扶養者となるためには①被保険者の3親等内の親族であること(続柄で同居要件あり)②主として被保険者により生計を維持されていること、の両方を満たす必要があります。②の「生計を維持されている」とは、被扶養者の年収が130万円(月収約10万8,000円)未満、かつ被保険者の年収の2分の1未満であること(同居のケース)が要件になっています。なお、健康保険の扶養の収入要件と国民年金第3号被保険者の収入要件は同じになります。

 

奥様の月収は2,200Sドルとのことですので、日本円で月収約17万6千円(レート1Sドル=80円)となり、扶養の範囲を超えてしまいます。そのため、奥様が働き始めた時点で扶養を外すとともに、国民年金第3号被保険者からも外す必要があります。手続きは、健保分が健康保険被扶養者異動届に必要事項を記載し、健保証と一緒に会社経由でAさんが加入する健保組合等に提出し、国民年金第3被保険者非該当届はAさんの会社経由で年金事務所に提出します。なお奥様の国民年金については、奥様が住民票を除いて渡星されていれば、強制加入ではなくなります。ただ、未加入であればその分将来の年金が減ってしまうので、任意加入の手続きを取ることをお勧めします。

社労士大槻オフィスシンガポール

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文=社労士大槻オフィスシンガポール

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.322(2017年6月1日発行)」に掲載されたものです。

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