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会計・税務相談

2017年4月25日

Q.旅行者が海外で購入した商品をシンガポールに持ち込んだら、入国時に商品・サービス税(GST)が課せられますか?

海外からシンガポールに持ちこんだ商品へのGST課税について

A:海外からシンガポールへ持ち込まれる商品は、シンガポールへの輸入として扱われ、原則として全てGST(7%)の対象となります。ただし、シンガポール国籍または永住権を持つ人が自分で使用するために海外から持ち帰った商品については免税措置があり、免税範囲を超える金額についてGSTが課せられます。

 

例えば、シンガポール人が旅行先から持ち帰った商品の総額がS$1,000相当とすると、免税範囲のS$600を超えるS$400についてGSTが課せられ、帰国時に税関で納付するGSTはS$28になります。旅行先で商品を購入する際に、付加価値税が課せられることがありますが、海外で付加価値税を支払ったか否かに関係なく、持ち帰った商品の総額が免税範囲を超える場合には、GSTを支払わなければなりません。
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なお、上記の免税は、ビザを取得してシンガポールに滞在する外国人や商業目的に使用される商品には適用されませんので、ご注意ください。帰国の際に税関での申告に時間を取られたくないという人は、「Customs@SG」(https://appsto.re/sg/ebiv_.i)という携帯アプリをインストールすれば、シンガポールに到着する前にGSTや関税の申告・納付を済ませることができます。

 

Q:購入した商品を旅行中に使い始めたら、GSTは課税されずに済みますか?

A:旅行中に使い始めたとしても、国外で新しく手に入れた商品をシンガポールへ持ち込むことに変わりはないため、課税されます。

 

Q:シンガポールを出発する時にチャンギ空港の免税店で商品を購入し、シンガポールに持ち帰った場合にはどうなりますか?

A:チャンギ空港の免税店は、GST法上はシンガポール国外と見なされるためにGSTが課せられません。旅行先から戻り、シンガポールに商品を持ち帰った時点で輸入と見なされ、GSTが課せられます。ただしシンガポール国籍または永住権を持つ人が48時間以上シンガポールを出国していた場合は、前述のように持ち帰った商品の総額のうちS$600まで免税となります。

 

Q:旅行先で会った友人から贈り物をもらった場合はどうなりますか?

A:贈り物もシンガポール国外で新しく手に入れた品物になりますので、お店で買った商品と同じようにシンガポールへの持ち込みに際してGSTの対象となります。品物の金額が分からない場合には、類似する商品の金額などに基づいて商品価値が査定され、GSTが計算されます。

 

Q:海外のオンラインショップにアクセスして購入し、シンガポールへ送ってもらった商品にもGSTが課せられますか?

A:オンラインショップでの購入を含め、海外からシンガポールへ郵送された商品もGSTの対象となります。ただし、CIF(商品代金・送料・保険料の合計額)がS$400以下で、かつ関税の対象でない商品の輸入についてはGSTが免除されます。これはシンガポール国籍や永住権がなくても適用されます。CIFがS$400を超える場合は、超過分の金額ではなくCIF全額についてGSTが課せられます。

 

Q:オンラインショップで注文するときに、荷物1個の金額がS$400以下になるように小分けに注文したら、免税になりますか?

A:実際にそのような注文をする人がいたことから、税関は、同じ荷受人宛に複数の荷物があった場合、その合計額がS$400を超えればGSTを課すようにしています。

取材協力=斯波澄子(Tricor Singapore Pte. Ltd.

本記事は一般的情報の提供のみを目的として作成されており、個別のケースについて正式な助言をするものではありません。本記事内の情報のみに依存された場合は責任を負いかねます。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.321(2017年5月1日発行)」に掲載されたものです。

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