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シンガポールで実践!英語プレゼン

2017年4月7日

日本人の奥ゆかしさがプレゼン下手の元凶(?)

~グローバルシーンにおいてプレゼンテーションはオーディション~

このエピソードから言えることは、大きく2つあります。

 

1つは、グローバルなビジネスシーンにおけるプレゼンの重要性です。相手は人種や文化など多種多様です。日本のように「阿吽の呼吸」なんていう概念は存在しません。発信しないと何も伝わらないのです。だからこそ発言すること、自らプレゼン機会を作り出すことがとても重要視されているのです。

 

もう1つは、世界で評価されるプレゼンスタイルを理解しておくことの必要性です。日本人にありがちな『奥ゆかしく遠慮がち』に話すことは全く評価されません。ここが日本人の価値観と大きく違うところです。日本において偉そうに話すのはあまり好まれません。「なんだ、あいつ。生意気に」と思われるリスクもあります。一方でグローバルシーンでは、自信なさげに振る舞うのが『悪』であり、『罪』でさえあるのです。彼らは「自信なさげにプレゼンされたらこっちが不安になる。大事な聞き手の時間を奪っているのにそれは失礼だろう」と感じます。自信ありげなプレゼンこそが相手を安心させ誠実さも感じさせられる、というのがグローバル・スタンダードなのです。

 

とはいっても、「英語力が十分でないから英語プレゼン自体に自信が持てない」という人もいるでしょう。その気持ちは痛いほどわかります。そういう人は、上記の『ブロークンな英語で堂々とプレゼンするNon-native』を見習ってみてください。ビジネスシーンで大事なのは、あなたの発するメッセージであり、熱意です。それらがしっかりと伝われば相手は動いてくれるし、あなたも評価されるはずです。

 

まずは、『良いプレゼン』の前に『良さげなプレゼン』を目指してみてください。自信を持ってプレゼンするのでなく、自信ありげに振る舞ってみましょう。あなたのグローバルシーンでの評価が、きっと一変することでしょう。

 

本コラムの著者西野氏からのメッセージビデオはこちらから。

 

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プロフィール
320web_Nishinosan_130623_1西野 浩輝 マーキュリッチ株式会社 代表取締役 Chief trainer

米テンプル大 Executive MBA(経営学修士)、大阪大学大学院 工学科専攻修了。リクルート在籍中に部門初のMVPに2度輝くなど、トップ営業として活躍。その後、世界最大の教育コンサルティング企業アメリカン・マネジメント・アソシエーションにヘッドハンティングされ、4年半トップ営業であり続けた。2003年にプレゼンテーション専門のコンサルティングを行うマーキュリッチを創業し、10数年に渡って5万人近いビジネスパーソンを指導。一部上場企業の経営者から新人まで対象層は幅広く、顧客数は300社を超える。「プレゼン力はフィードバック力」のコンセプトのもと、受講者の分析力・フィードバック眼を鍛えることを通じて、短期のトレーニングで成果を実現する。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.320(2017年4月1日発行)」に掲載されたものです。

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