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健康相談

2016年11月7日

Q.最近乳がんに関するニュースをよく見ますが、乳がんの患者数は実際に増えているのでしょうか?

乳がんとその検診について

313_web_1A.先進国では比較的乳がん患者数が少ないと言われていた日本ですが、食生活の欧米化や初産年齢の高齢化などライフスタイルの変化に伴って増加傾向にあります。実際2012年には12人に1人が乳がんになり、罹患率は圧倒的にほかのがんより高くなっています(図1)。

 

 

進行してから見つかるケースが目立つためか、乳がんは発見しづらく治りづらいと思っている方も多いようですが、実は最も見つけやすいがんの一つで、画像診断により数ミリしかない初期のがんも見つけることができます。また乳がんは治療効果が出やすく、多くの治療方法があるため早く見つかれば完治が期待できます。そのため検診受診率の高い欧米諸国では乳がん死亡率は年々減り続けていますが、日本では逆に増加傾向にあり、乳がんの検診受診率の低さも原因の一つとされています(図2、図3)。

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Q.視触診や、自己検診は役に立たないともいわれますが本当ですか?
A.確かに視触診や自己検診が死亡率を下げるというデータはなく、検診の方法としては推奨されていません。ただ、マンモグラフィや超音波(エコー)検査は、触診では分からないような小さながんを見つけることができる一方で、触って分かる大きさなのに撮影しづらい位置にあるため分からないケースもまれにあります。乳房は体表から触れる場所にある数少ない臓器で、自分で見つけることが可能なので、たとえ定期的に検診を受けて問題がなくても自己チェックをして違和感がある時は外来を受診してください。

 

Q.40歳以下では、どんな乳がん検診がお勧めでしょうか?
A.乳がん検診の基本は胸をはさんで撮影をするマンモグラフィです。この検査は長い歴史があり確立された方法ですが、欠点としてほんの少しですがX線の被爆があること、また乳腺が多いと全体が白く写って、得意とする石灰化などの細かい病変が隠れてしまうということがあります。そのためマンモグラフィ検診は乳腺の多い40歳未満の方には向いていないとされています。しかし、最近は30代の乳がんも増えており、その世代の方にはエコー検診を勧めています。この方法の欠点は、歴史がまだ浅いので本当に乳がん死亡率を下げられるかがはっきりしていないことですが、最近日本で行われている大規模な研究により、少なくとも乳がんの発見率を上げることは分かっています。また、以下のようなリスクファクターがある方は、40歳未満でもマンモグラフィ検診をお勧めします。

 

・40歳未満で乳がんを発症した血縁者がいる
・年齢を問わず、卵巣がんになった血縁者がいる
・年齢を問わず、血縁者に原発乳がんを2個以上発症した人がいる
・血縁者に男性乳がんになった人がいる
・自分を含め、乳がんになった血縁者が3人以上いる
・BRCAという遺伝性乳がんの遺伝子変異が確認された血縁者がいる
・治療が難しい(トリプルネガティブ)乳がんの血縁者がいる

 

取材協力=日本メディカルケアー 医師・鍋島寛志

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX vol.313(2016年11月7日発行)」に掲載されたものです。本記事は一般的情報の提供のみを目的として作成されており、個別ケースについて、正式な助言なく、本情報のみに依存された場合は責任を負いかねます。

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