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会計・税務相談

2016年8月29日

Q.申告の誤りによる税金の過払いについて

申告の誤りによる税金の過払いについて

A:過去の法人税の申告に誤りがあり、税金を多く納め過ぎていたことが発覚しました。更正の請求をして、過払いした税金を還付してもらうことはできますか。

 

所得税の申告に誤りがあり、その結果、税金を多く納め過ぎたり、繰越欠損金が少なく計算されていたことに後から気づいた場合、対象となる賦課年度の終了後4年以内であれば、内国歳入庁(IRAS)に対して賦課決定通知書(NOA)の訂正および過払いした税金の還付を請求することができます。これは、法人税だけでなく、個人の所得税についても同じです。例えば、2016年にその誤りに気づいた場合、更正の請求が可能なのは、2012賦課年度(2011年終了会計年度)以後になります。再提出された申告書およびその他の資料に基づき、納税者の主張が正当であると検査官が納得すれば、NOAが訂正され、税金が還付されます。

 

では、納税者による申告の誤りではなく、IRASによる誤りもしくは見解の相違により、納税者による税額計算とは異なる査定がなされた場合はどうしたらよいのでしょうか。その際は、法人であればNOAの発行日から2ヵ月以内、個人であれば30日以内にIRASに対して異議申し立てを行わなければなりません。期限までに申し立てを行わなかった場合は、NOAの内容に同意したものと見なされます。また、異議申し立てを行う場合であっても、通常の納付期限であるNOAの発行日から1ヵ月以内に、一旦は賦課された税金を全額納付しましょう。そうしないと、最終的に納税者の主張が認められなかった場合、未納となっている税金について延滞税が課されます。
次に、納税者による申告の誤りにより課税所得を少なく申告していたことに後から気づいた場合はどうしたらよいでしょう。そのときは、できるだけ早く修正申告する必要があります。過少申告は所得税法違反として処罰の対象になりますが、自主的に修正申告した場合は、IRASの自主的開示制度(Voluntary Disclosure Programme)という救済措置により、過少申告加算税が大幅に減免されます。

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