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シンガポール星層解明

2016年8月1日

飛躍的拡大が期待されるシンガポールの日本食品市場

「輸出の拡大」から「輸入の拡大」に
向けた力点のシフトが必要

シンガポールで日本製の農林水産物や食品の販売を拡大していくためには、日本から「輸出の拡大」を図るという発想から、シンガポールを拠点にしていかに「輸入の拡大」に繋がる施策を実行できるか、という発想へと力点をシフトさせていくことが肝要だと考えている。伊勢丹シンガポールのネット店舗における利用客数はいかにして増やすことができるのか、またシンガポールの現地小売企業に対しいかにして日本製品の品揃えを拡充させていけるかといった着想は、「輸入の拡大」に向けて具現化が求められる一例と言える。

 

施策の具体的な立案および実行には、現地の消費者や商習慣を熟知したディストリビューターの活用が考えられる。一過性のイベントになりがちな日本発のトップセールスやプロモーションに終始することなく、自らに代わって継続的にシンガポールの小売企業に対して営業活動をはじめ販促、マーケティング、配送までを担うディストリビューターを採用し、商品がシンガポールに輸入されて以降、一切の活動の委託を検討されることを提案して本稿を締めくくりたい。

 

web_profileプロフィール
山﨑 良太
(やまざき りょうた)
慶應義塾大学経済学部卒業。外資系コンサルティング会社のシンガポールオフィスに所属。週の大半はインドネシアやミャンマーなどの域内各国で小売、消費財、運輸分野を中心とする企業の新規市場参入、事業デューデリジェンス、PMI(M&A統合プロセス)、オペレーション改善のプロジェクトに従事。週末は家族との時間が最優先ながらスポーツで心身を鍛錬。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.307(2016年8月1日発行)」に掲載されたものです

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