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4賢人の知恵袋 ~新時代のビジネスアプローチ~

2016年7月5日

マーケティング編 第4回 本物のマーケティングの実践(2)お客様は一体何を買うのか?

お客様にあなたの商品やサービスを買って頂くためには、当然ですが、お客様が何を買うのかを理解しなければなりません。しかし各企業で話を聞いていると、これまで多くの方がこのことを理解しておらず、考えたことさえもないという現実に直面します。多くの方が勘違いをしていることですが、お客様が買うもの、つまりあなたが売っているものは、商品やサービスなどではありません。これが分からない限り、あなたの商品は決して売れません。

 

では、お客様が欲しいものは何か?結論から先に言うと、それは「約束」です。お客様が欲しいのは、商品やサービスを買うことによって得られる「よりよい未来」であって、商品そのものではありません。極端な話、お客様は自分が欲している未来が得られるのであれば、商品は何だっていいのです。お客様は商品の説明を長々聞きたいのではなく、たった1つだけ確かめたいのです。たった1つだけ、あなたに約束して欲しいのです。自分が欲している未来が得られるかどうかを。

 

もしあなたがお客様の立場なら、あなたもそう思いませんか?耐え難いほどの体の痛みに悩まされた時、あなたが欲しているのは何よりもその苦痛から解放されることであって、別に薬が飲みたいわけでも、整骨院で施術が受けたいわけでもありません。あなたの関心事はただ1つ、「この痛みからどうやったら解放されるのか」ということであり、あなたが聞きたいのは、「あなたはこの痛みから解放されますよ」という言葉でしょう。だから、それを聞かせてあげるのです。お客様が心の底から求めていることを約束するのです。これを行うだけで、業績は飛躍します。ぜひ考えてみてください。あなたは一体、お客様に何を約束しているのかを。

 

もちろん、規制など様々な理由で具体的な約束をすることが難しい業界もあるでしょう。あるいは「私はすでにお客様に明確な約束をしている」と言われる方もいるかもしれません。しかし、私はこれまでの経験上、「うちの業界ではできない」というのが単なる逃げ口上にすぎなかったり、「明確な約束」の内容が無意味なものだったりするケースを何度も見てきました。

 

例えば私自身がいる経営コンサルティング業界。お客様は当然、業績を向上させたくてコンサルを依頼するわけですが、業績アップを約束する経営コンサルタントは、ほぼ皆無です(手前味噌ですが、私はそれを明確に約束します)。何とも情けない話ですが、これではお客様は何のために対価を支払うのか分かりません。また、製造業の方に、「あなたは一体、お客様に何を約束しているんですか?」と聞くと、多くの方が「品質と納期です」とお答えになります。では、品質とは何なのでしょうか。納期は、守るのが当たり前ではないのでしょうか。そもそも、誰にでもできる約束など意味がありません。

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