シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP日本に住んでいないけれど、国民年金第3号被保険者になれる?

海外進出「社会保険・労務管理」

2016年6月20日

Q.日本に住んでいないけれど、国民年金第3号被保険者になれる?

私は、日本からシンガポールの現地法人に出向して働いている者です。来星して半年ほど経ち、近々日本に住んでいる妻が会社を退職して渡星する予定です。私は日本の会社で引き続き厚生年金に加入しているのですが、退職して渡星する妻の年金はどうなるのでしょうか?住民票も除票する予定です。(Aさん)

 

奥さんは国民年金第3号被保険者に該当します。第3号被保険者の場合、日本国内に居住していなければならないといった要件はないため、奥さんが渡星しても問題ありません。

 

第3号被保険者は、国民年金第2号被保険者(厚生年金加入者)に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者が対象であり、いわゆる専業主婦等が該当します。この第3号被保険者は、国民年金第1号被保険者(自営業者等)と異なり、日本国内に居住していることが要件ではないため、たとえ海外在住でも上記の要件を満たしていれば該当します。なお、第3号被保険者は、保険料を支払わなくても、1号被保険者と同じように将来年金をもらえる仕組みですが、手続きはAさんの会社を通じて行う必要があるので、忘れずに行うようにしてください。

 

第3号被保険者は、前述の通り、第2号被保険者に扶養されている人だけが対象となります。したがって、第1号被保険者に扶養されている場合は、第3号被保険者にはなれません。もしAさんが現地法人に転籍される場合や出向元の会社を退職される場合、第2号被保険者に該当しなくなり、奥さんも第3号被保険者ではなくなるのでご注意ください。

社労士大槻オフィスシンガポール

80 Robinson Road #10-01A Singapore 068898
ご相談は、Emailにてご連絡ください(担当:武田 正行)

文=社労士大槻オフィスシンガポール

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.304(2016年06月20日発行)」に掲載されたものです。

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