2016年4月18日
Q.海外出向者が退職。失業給付の計算方法は?~日本法人からの賃金だけで計算される~
雇用保険の主な役割は、労働者が失業した際のセーフティーネットです。海外出向者の場合は、日本法人から賃金が支払われている場合はもちろん、支払われていない場合であっても、雇用関係が継続している限り、雇用保険に加入し続けることができます。
退職した後に失業給付を受給するためには、退職日以前の2年間に賃金が支払われていた期間が12ヵ月以上あることが条件です。Mさんが退職日以前の2年間に長期間の欠勤などがなく、上記の要件を満たすなら日本に帰国し転職活動をする際、失業給付を受給できます。
失業給付の計算方法は、退職日以前の6ヵ月の賃金を元に計算されます。ただし、賃金はあくまでも雇用保険料の対象となっていた日本法人から支給されている賃金分だけで計算されるため、シンガポール法人からの賃金は含まれません。残念ながらMさんの場合、失業給付は日本法人から支払われる30万円をベースに計算されることになります。
自己都合で退職する場合は、雇用保険の加入期間によって、最大90日~150日の失業給付を受けられます。シンガポール法人から賃金が全額支払われているケースは、扱いが異なるのでご注意下さい(2014年12月15日号(Vol.271)参照)。
社労士大槻オフィスシンガポール
80 Robinson Road #10-01A Singapore 068898
ご相談は、Emailにてご連絡ください(担当:武田 正行)
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.300(2016年4月18日発行)」に掲載されたものです。