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健康相談

2016年3月7日

Q.最近、生理痛がひどいのですが、 検査を受けたほうが良いでしょうか?

月経困難症の原因はいくつかありますが、代表的な疾患は子宮内膜症です。近年増加傾向にある病気で、不妊症の原因にもなりますので、将来、結婚や妊娠を考えている方で生理痛がひどい場合は、なるべく早めに検査をしたほうが良いと思います。

 

Q.子宮内膜症とはどんな病気ですか?
A.月経とは子宮内膜が剥がれて出血することで、その子宮内膜が子宮の外にできてしまうことがあります。これを子宮内膜症と呼びます。症状としては生理痛がひどくなる方がほとんどですが、症状のない方もいて、原因不明の不妊症の場合、よく調べると3割以上に子宮内膜症が見つかります。できる場所は、卵巣と腹膜、ダグラス窩(か)といわれる腟と直腸の間が代表的で、まれに腸管や肺などにできることもあります。月経のたびに悪くなる疾患なので、近年、初産年齢の上昇や出産回数の減少などの社会的要因で増加傾向にあるといわれています。

 

Q.どうやって診断するのですか?
A.卵巣にできた場合は、エコーで卵巣にできた嚢胞を見つけます。腹膜やダグラス窩に薄く広がった場合は画像診断が難しく、内診や直腸診で圧痛や硬結がないかで診断しますが、診断がつかない場合は全身麻酔下に腹腔鏡検査(手術)をして直接おなかの中を見ることで確定診断をします。悪性の可能性がありそうな場合は、腫瘍マーカーやMRIでさらに詳しく検査をします。

 

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Q.どのような治療をしますか?
A.子宮内膜症の治療は、卵巣嚢腫があるかどうか、また挙児希望があるかどうかで方針が変わります。まず原則として鎮痛剤は我慢せず飲んでください。というのは鎮痛剤はサイトカインと呼ばれる痛み物質が作られることを防ぎます。痛み物質を消すことはできないので、早く使って痛みを予防することが重要です。またサイトカインはおなかの環境を悪くして、妊娠をしづらくしたり、生理痛を悪化させると言われているので、治療の基本はサイトカインを少なくすることです。
大きめ(4~5cm以上)の卵巣嚢腫がある場合は、将来の癌化のリスクから、手術をしたほうが良いとされています。今は開腹ではなく数ミリの孔を数箇所で行う腹腔鏡手術がほとんどです。
すぐに挙児希望がない場合は、低用量ピルを使うのが一般的です。ピルは女性ホルモンの値を低めにして、子宮内膜症の進行を遅らせる作用があります。また排卵を防ぎ卵を守る働きもあるので、将来妊娠を考えている方は、ぜひ積極的に考えてください。月経を止める強い薬もありますが、副作用も強いので、鎮痛剤+ピルというのが今の標準治療です。
赤ちゃんがほしい場合、妊娠・授乳中はホルモンの作用で子宮内膜症は良くなることが多いので、妊娠すればそれがベストです。ただ、子宮内膜症は妊娠しづらくなる病気でもあるので、不妊治療に準じた治療を行い、なるべく早く妊娠できるようにします。

 

取材協力=日本メディカルケアー 医師・鍋島寛志

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX vol.297(2016年3月7日発行)」に掲載されたものです。本記事は一般的情報の提供のみを目的として作成されており、個別ケースについて、正式な助言なく、本情報のみに依存された場合は責任を負いかねます。

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