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4賢人の知恵袋 ~新時代のビジネスアプローチ~

2016年3月7日

マーケティング編 第2回 マーケティングとは本当は何なのか

前回、マーケティングを「顧客の獲得」や「売上・利益アップ」の手段と捉えている限り、決して望む結果は手に入らず、売上や利益は、追えば追うほど逃げていくということをお伝えしました。今回は、マーケティングとは本当は一体何なのかについて書きたいと思います。

 

前回のドラッカーの定義に戻れば、マーケティングの目的は、商品・サービスを顧客に届けることになります。ところで、あなたはなぜ自分の商品やサービスをお客様に届けなければならないか、考えたことはありますか?

 

もしあなたの会社の商品やサービスが真に価値あるものならば、それは必ずお客様の人生をより良くするはずです。第一に、あなたはそこに絶対の自信を持っていなければなりません。

 

もっと言うなら、あなたの会社の商品やサービスを「届けない」ことは、お客様を不幸にしているとさえ思えるかどうか。実際、あなたに出会えないことで、まだ見ぬあなたのお客様は本当だったら得られるはずの幸せを得られていないし、現状の生活がもっと良くなることも知らないし、今自分がリスクにさらされる可能性があることを知らないし、それを知らないことすら知らないのです。

 

しかし、専門家であるあなたは知っています。だからこそ、お客様の人生をより良くするために、お客様の人生を守るために、一刻も早くあなたの商品を彼らに届けなければなりません。それこそがマーケティングの本当の目的なのです。

 

お客様の人生に想いを寄せ、本気で向き合う時、あなたは自らの仕事の本質的な意義に気づくことでしょう。そして、その仕事に携わることのできる幸せを心の底から実感できるようになるはずです。多くの人が、人生の本当の可能性を諦めてしまっています。介護業界を例に挙げれば、認知症になってしまい、いつしか言葉を話すこともなくなった方のご家族は、二度とその方が言葉を発することなどないと諦めています。体調を崩すといけないからと外に出かけてはダメ、あれもダメ、これもダメと、段々とその方の人生の彩りが失われていきます。

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