2013年12月11日
7自治体等が共同で地域特産品の販路開拓/拡大支援、観光客誘致支援を行う
日本自治体等連合シンガポール事務所
佐賀県武雄市、鹿児島県薩摩川内市、福岡県鞍手町、福岡県大刀洗町、新潟県燕三条地場産業振興センター、富山県南砺市、香川県宇多津町の7自治体等が10月、日本自治体等連合シンガポール事務所を設立した。7自治体等のうち6自治体等は日本で自治体運営型通信販売サービス「JAPAN satisfaction guaranteed」を展開。更なる海外進出を目指す。
同事務所の笠原雄人所長は、地方特産品の販路開拓と観光客誘致の2つが柱と語る。
7自治体等が売り込む主な特産品
佐賀県武雄市 | 菓子や麺類などの加工食品、陶器、農産品 |
鹿児島県薩摩川内市 | 海産物加工品 |
福岡県鞍手町 | ぶどう、いちご、農産物 |
福岡県大刀洗町 | 生鮮野菜 |
香川県宇多津町 | 古代米、古代米酒、讃岐うどん、菓子等加工食品 |
新潟県燕三条 | 洋食器、農産物 |
富山県南砺市 | 和紙工芸品、雑貨 |
知名度の低さをカバーすべくドブ板活動で商品を知ってもらう
「日本でもあまり知られていない、ブランド力に乏しい商品を売り込む難しさがあります。燕三条は欧米に洋食器を展開していますが東南アジア市場へは今回が初進出。そのほかの自治体はこれまで海外市場を意識したことがない。今回が初めてというところがほとんどです」。
このようなハンデの中、笠原所長はまず、シンガポールのバイヤーを訪問し、商品を紹介することから始めている。
「とにかくいろいろなレベルの商品があるので、現在は幅広くバイヤーを回りながら、試供品を渡したり、試食をしてもらったりしています。そして需要を見極め、可能性のありそうなバイヤーさんには集中して通って話を進めてもらうことになります。ブランド力及び知名度もないので、地道にドブ板PR活動をするしかありません」。
初の海外進出の拠点にシンガポールを選んだ理由として、笠原所長はアジアの様々な情報が集まる都市であること、そして将来のハラル市場の開拓やムスリム旅行客の送客などを見据えたPR活動もできることを挙げる。
「ハラル市場やムスリム旅行客の送客が今後、ますます注目されるのは間違いありません。しかし、まだまだ事務所を開設して時間も浅く、いろいろ限界がある中では、まずはシンガポールを中心に現存の特産品、観光資源をしっかりPRしていくことが必要と考えます。シンガポールで流行ったものは、ASEANの周辺国へも波及すると言われており、その効果を期待したいところです。また、私が以前仕事でいた香港や中国大陸と比較して、チャイナリスクを避けるようにASEANへ企業やモノが移ってきていると感じており、その点からもシンガポールを中心としたこのエリアはまだまだ伸びていくと感じています。
団体プロフィール
日本自治体等連合シンガポール事務所は、2011年に佐賀県武雄市が開設した自治体運営型の通信販売サービス「JAPANsg japan-sg.jp」(旧称:FB良品)に参加する6自治体等を中心に構成される。
JAPANsg全体では2013年11月30日現在、17自治体等が参加しており、今後も拡大が期待されている。
日本自治体等連合シンガポール事務所
80 Robinson Road #10-01A Singapore 068898
TEL:6420-6804
取材後記
元々は、ヨーロッパが好きだったという笠原所長。知り合いの留学をきっかけに中国を訪れて将来性を感じ、自分も中国での留学を決意。日本以外に香港及び中国大陸でも勤務し、出張及び旅行で中国の全省を踏破したとのこと。「印象に残っているのは、青海省青海湖、四川省九寨溝、チベット自治区、新疆ウイグル自治区などです」。
座右の銘は「現場・現物・現実」。