シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP「しつもん」で人生は変わる、魔法の質問のすすめ。

来星記念インタビュー

2012年9月4日

「しつもん」で人生は変わる、魔法の質問のすすめ。

質問家マツダミヒロさん

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シンガポールの企業や学校で数々の講演活動を行い、好評を博してきた質問家のマツダミヒロさんが、10月2日、リーダーズアカデミーおよびアジアエックスの主催で第8回となるビジネスセミナー、「リーダーズボイズVol. 8『部下のやる気を引き出すしつもん力 』」のために、再び来星する。あらゆるジャンルや業界とのコラボレーション、国内外の幅広い年齢層に発信するなど、「しつもん力」の応用性の高さを実証してきたマツダさんに話を聞いた。

 

 

 

 

 

 

AsiaX

まずは、「質問家」としてのマツダさんの活動を教えて下さい。

マツダ

「しつもん」することを切り口としていろんな活動をしています。まず、企業へ出かけて、経営者に質問をします。そうすると、自分の企業の可能性を知って、その考え方や行動が変わる。そして組織のパフォーマンスが上がり、売り上げアップに繋がります。また、小・中・高校の子どもたちへの「しつもん」の授業もします。彼らがしつもんに答えていくうちに、それぞれ自分の夢を発見できたり、悩みを解決していきます。一緒に活動する仲間を増やす活動も行っていて、魔法の質問認定講師養成講座などを開催しています。

AsiaX

今回のビジネスセミナーでは、どんなことをお話いただけるのですか。

マツダ

部下がいる方で、中でもその部下がなかなか思うように動いてくれないという方には特にお勧めです。
指示命令では、本当の意味では人は動かない。相手が自然に動き出す質問の仕方、また、ひとつの質問で問題を解決するのは難しいですから、そのステップなどについてお話しします。
例えば、会議でゴール設定をして皆で共有する際、「どういう状態になっていたら最高なの?」と質問することで、ちゃんとこのプロジェクトをやりなさいと言わなくても、人は動くようになります。私自身、会議を始める時に、いつも「最近うまくいっていることは何?」と聞きます。うまくいったことを伝えあうことで、全体のムードも良くなりますし、いいところに目を向けて行動するようになる。何をやってもダメ、できないという話にならないので、チームのやる気にも繋がります。
また、Why(なぜ)ではなく、How(どうやって)と聞くことで、可能性を引き出すことができますし、すべての答えは自分の中にありますので、そういった質問を重ねることで、自然とやる気になるわけです。セミナーでは、参加者の皆さんにそれらを実体験して頂きます。

AsiaX

「魔法の質問」とは何ですか?

マツダ

質問するだけで、相手には魔法にかかったような変化が起きます。つまり、質問が繰り返され、それに答えるうちに、気付かないことに気付き、やる気と能力が引き出され、行動が起こせるようになる。いい質問って魔法だなとある時思ったことから、「魔法の質問」と呼んでいます。いい質問をするコツは、答えを期待せず、誘導しない。質問への答えはすべてが正解であり、答えられなくてもいいんです。

AsiaX

「魔法の質問」は、民族や文化を越えて通用するのでしょうか。

マツダ

シンガポールはもとより、上海など海外各地でセミナーなどを継続的に開催するようになって6年経ちますが、どこでも同じ質問が使えることから、それらの壁は越えると考えます。大事なのは、質問する前のステップで、違いを見つけるのではなくて、人間として同じ、共通する部分を発見すること。そこから、具体的にどんなことで困っていて、乗り越えたいと思っているのかを理解し、しつもんを通して解決していきます。

AsiaX

マツダさんが質問家となったきっかけを教えて下さい。

マツダ

以前はグラフィックデザイナーとして会社を経営していましたが、ビジネスが拡大していく中で忙しさを極めるようになり、ある時、自分自身に質問をしました。お金をもらわなくても今の仕事ができるか、と。そして答えはNoでした。自分にとって楽しかったこと、どんな時にワクワクしたかを振り返った時、OBとして大学の後輩達からいろいろ相談された際、私と話をすることで彼らがやる気になって帰っていったことに思い当たったんです。そこで、以前から興味のあったコーチングとカウンセリングを学びました。それらの要素を融合したのが「しつもん」のスタイルで、今悩んでいる人にもやる気を出したい時にでも使えます。そして、気付いたら質問だけをしていて、自然と質問の道を極めようとしていました。

AsiaX

「しつもん」とひらがなを使われるのはなぜですか。

マツダ

質問、と漢字にすると、自分が聞きたいことだけを聞く意味合いが強いですが、「しつもん」は、相手のための問いかけなんです。それは、自分の行動を生み出す力であり、どんな質問をするかによって行動の質も決まる。いい質問をすることで、上質な行動が生まれ、その結果、上質な人生になるのです。その人らしく生きている人が1人でも増えれば成功であり、その人がその人らしく生きていける世の中を作ることが自分のビジョンです。
ですから、後には、「しつもん」を「SHITSUMON」として、「MOTTAINAI」や「KAIZEN」のように世界の共通言語にしたいです。

AsiaX

質問家として、やりがいのあること、または壁にぶつかったことはありますか。

マツダ

壁は常にありますが、くじけそうになったことはありません。いつも質問で解決します。
自分にとって、しつもんの活動を始めたスタート地点が、お金もなく、仕事もないという一番大変な時期でした。その時に、お客様は誰だろう、その人が困っていることは何だろう、そして、その人に提供できることは何だろうという問いかけをひたすら続けました。そして、失敗しながらも、それに答えては行動するということを繰り返しました。大切なことは、小さくチャレンジし続けることです。小さなチャレンジですから、たとえ失敗してもそんなに痛くはありません。
また、しつもん財団の活動として、学校へ訪問して子どもたちに話をする時に特にやりがいを感じます。授業の前と後では子どもたちの表情が変わる。暗い顔をしていた子どもが、質問を通して、これでいいんだ、早くやってみたいと目に輝きを持つ、その変化の瞬間を見るのがとても嬉しいです。

AsiaX

これから挑戦してみたいことはどんなことですか。

マツダ

教育や企業の場でしつもんの活動をしていくだけでなく、しつもんをあらゆる分野に拡げたい。例えば、「しつもん」と飲食、「しつもん」とゲーム、「しつもん」と美容、「しつもん」とマンガなどと組み合わせることで、さらに多くの人へ、本を読まない人にも届きます。そうすることで、自分のビジョンでもある、1人でも多くの人が自分らしく生きる世の中へ近づくと考えています。

AsiaX

マツダさんが影響を受けた人は誰ですか?

マツダ

影響を受ける存在といえば、5歳の娘。娘にしつもんするといつも適切な答えがもらえます。例えば「お金と愛はどっちが大事かな?」としつもんすると「愛にきまってるでしょ。愛はね、伝え合うことができるの。お金はね、ただの交換しかできないのよ」と答えが返ってきました。また、 子供と何を話せばいいかわからないという父親からの相談を受けて、私も答えが見当たらず、娘にしつもんすると、「まずはね、その子のことをじーっとみるの。何が好きかがわかるからそれを聴いてあげればいいんだよ」と。私自身が悩んだ時や困った時は、いつも師匠として教えてくれています。

AsiaX

AsiaX読者にメッセージをお願いします。
マツダ
「しつもん」は、すごく楽しいものです。是非質問に触れて頂きたいと思います。

マツダミヒロ

山形生まれ。質問家。「魔法の質問」主宰、学校への活動を行う一般財団法人「しつもん財団」 代表理事。2004年より日刊メルマガ「魔法の質問」を開始。毎日2万人が読むメルマガとなる。質問を投げかけ、参加者が答えるスタイルの「魔法の質問ライブ」を軸に、日本全国・海外で行う講演は年間200件以上。『起きてから寝るまでの魔法の質問』(サンマーク出版)、『しつもん仕事術』(日経BP社)ほか著書多数。日本メンタルヘルス協会公認カウンセラー。

アジアエックス主催ビジネスセミナー リーダーズボイス Vol.8
「部下のやる気を引き出すしつもん力」概要

時間 14:30
会場 日本人会館 2階 ボールルーム
入場料 セミナーのみS$70
セミナー&懇親会 S$120(事前申し込み、当日は$130)
お問い合せ メールで件名を「10/2ビジネスセミナー参加申し込み」として、以下の内容をアジアエックス編集部までお送りください。
1.) 氏名
2.) 会社名(または職業)
3.) 住所
4.) 電話番号
5.) 「セミナーのみ参加」または「セミナー・懇親会とも参加」
e-mail:seminar@asiax.biz
Tel:6748-1822
Fax:6748-6133
※2営業日以上返信が無い場合は、お手数ですが再度お問い合わせください。
申込締切 2012年9月25日(火) 17:00
プログラム 14:30 開場
15:00~16:30 マツダミヒロ氏講演
16:30~16:45 休憩
16:45~18:00 マツダ氏、嶋津氏対談(質疑応答含む) ※セミナー終了後、18:30より懇親会を開催
講師 質問家 マツダミヒロ氏
定員 30名 ※定員になり次第締め切らせていただきます。
主催 アジアエックス
協賛 株式会社リーダーズアカデミー
 
120 Adam Road, Singapore 289899

2012年09月04日
文= 桑島千春

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