2012年11月2日
世界ランクトップ10を狙うプロテニス界の若武者
プロテニスプレーヤー錦織 圭選手
男子プロテニス協会(Association of Tennis Professionals)が主催するATPツアーや、国別対抗のデビスカップ、ロンドン・オリンピックでの活躍などで注目を集めている錦織圭選手。10月1日から7日まで東京で開催された「楽天ジャパンオープンテニス」では、4年ぶり2度目のATPツアー優勝を果たし、世界ランクも過去最高位の15位に浮上しました。
ATPツアー終了直後の11月24日から25日には、シンガポールで開催される「クラッシュ・オブ・コンチネンツ(Clash of Continents)」に出場、シンガポールで初めてプレーを披露する錦織選手に話を聞きました。
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AsiaX
- 楽天ジャパンオープン決勝で優勝が決まった瞬間、何を考えましたか。
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錦織
- その直後は信じられないというか。まさか優勝できると思ってなかったので、自分でもびっくりでしたね。徐々に実感が湧いてきました。この楽天オープンでの優勝はずっと目標としていたので、本当にうれしいです!
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AsiaX
- 2009年にひじの疲労骨折で手術を受け、2010年初めまで満足にテニスをできない状態だったそうですが、苦しい期間をどうやって乗り越えましたか。
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錦織
- たくさんの方のサポートや応援で乗り切ることができました。でも、自分のテニスがまたしたい、という思いがやはり一番のモチベーションだったと思います。
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AsiaX
- これから世界トップ10に入るために特に強化したい点は。
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錦織
- 強化すべき点はたくさんあるとは思いますが、特に力を入れたいのは、もう少し安定したテニスができるようになることと、体力面での強化です。体を鍛えて、全体的に大きくしたいと考えています。あとは、サーブなど技術的なこともありますが、どの試合でも無駄が少なく、いつもベストのテニスができるようにしたいですね。
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AsiaX
- 世界ランク上位には、長身で身体的に優位な選手もたくさんいますが、「これだけは負けない」という点は。
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錦織
- スピードやテクニックの部分だと思います。パワープレーができない分、足を使ってどのボールも諦めず、しつこくプレーしています。また、細かいボールタッチなどでもカバーしています。
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AsiaX
- ベストパフォーマンスを出すために、試合前にやっていることや、試合中に心がけていることはありますか。
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錦織
- 特別なことはありません。いつも同じルーティンで、良い緊張感を持って試合に臨むようにしています。
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AsiaX
- コントロール力の高さに定評がありますが、プレーの正確性を高めるために取り組んでいることは。
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錦織
- たくさんボールを打つ事ですね。練習でも試合を意識して取り組むことと、たくさん練習して自信をつけて、試合の時に思いっきり打てるように準備することです。
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AsiaX
- テニスをやっていて良かったと思う時は。また、テニスのどんなところが好きですか。
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錦織
- 一番は強い相手に勝つ時ですね。あとは難しいショットを決めた時とか。テニスには、相手との見えない駆け引きがあって、ショットの巧さなどだけでは勝敗が決まらないところが好きです。相手によって戦い方を変えたり……奥が深いです。
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AsiaX
- 米国のフロリダに在住し世界各地を転戦していますが、海外での生活を楽しむコツがあれば教えてください。
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錦織
- 海外にいてもやはり日本のものが好きですね。日本の食べ物もよく食べますし、ニュースを見たり、バラエティ番組を見て笑ったりしています。ストレスを溜めないことが一番ですね。
休みの日はたくさん寝て、起きたらショッピング行ったりするのも良い気分転換になっています。 -
AsiaX
- シンガポールで開催されるClash of Continentsへの意気込みを聞かせてください。
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錦織
- シンガポールでプレーするのは初めてなので、とても楽しみにしています。他の参加選手も豪華な顔ぶれなので、きっと熱い戦いになるでしょう!
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AsiaX
- 最後に、アジアエックス読者へのメッセージをお願いします。
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錦織
- シンガポールには日本人の方もたくさん住んでいると聞いていますので、今回のClash of Continentsで多くのみなさんに試合を見てもらえることをとても楽しみにしています。ぜひ会場へ足を運んでみてください!
また、これからもっと精進して、世界ランクトップ10を目指して頑張ります。シンガポールからも応援よろしくお願いします!
錦織 圭
1989年生まれ、島根県松江市出身。米国フロリダ州在住。
5歳でテニスを始め、小学6年生の時に全国大会三冠を達成。中学2年生で財団法人盛田正明テニス・ファンドの強化選手に選ばれ、フロリダ州にあるテニススクールの名門、ニック・ボロテリー・テニスアカデミーに留学。
2007年10月、17歳でプロ転向。2008年2月、デルレイビーチ国際選手権でツアー初優勝。同年8月に行われた全米オープンで、日本人男子シングルスとして71年ぶりにベスト16進出を果たした。
2009年はひじの故障で手術を受け、ATPツアーから約9ヵ月間離脱という試練の年に。2010年よりツアーに復帰し、下部ツアーのATPチャレンジャーで4回優勝、グランドスラム大会でも3度本選に出場し、世界ランクトップ100に入った。
2011年には上海マスターズでの準決勝進出、バーゼル大会での決勝進出など、世界のトッププレーヤー達を脅かす存在に成長。2012年は世界ランク20位以内に定着している。
身長177センチとプロテニスプレーヤーの中では決して大きな体格ではないが、精度の高いプレーと粘り強さを武器に日本人男子初の世界ランクトップ10入りが期待されている。
クラッシュ・オブ・コンチネンツ概要
開催日 | 2012年11月24日(土)・25日(日) |
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時間 | 14:00〜 |
会場 | シンガポール・インドア・スタジアム |
入場料 | S$60(2階席)、S$90(1階席)、S$150(コートサイド席) ※2日間通し。3歳未満は入場不可。 |
URL | http://www.clashofcontinents.com |
チケット | SISTIC |
2012年11月02日
文= 石橋雪江