シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOPクラウド、クラウドと良く聞くが、シンガポールでも使えるのか?

企業IT・システム相談

2013年3月18日

Q.クラウド、クラウドと良く聞くが、シンガポールでも使えるのか?

シンガポールでのクラウドの利用

ITビジネスの世界では、流行語がある。今年の流行語は、ビッグデータ(Big data)だといわれる。クラウドも数年前からの流行語のひとつ。多くの場合、このような用語は、企業が自社製品を売り込むために利用される。導入する側は、用語に惑わされないよう注意が必要だ。

 

クラウドとは何か?

正式にはクラウドコンピューティングの略。いろいろな定義がある。当社では、クラウドコンピューティングとは、コンピュータの仮想化技術をベースに、必要に応じて顧客、あるいはアプリケーションに必要なだけの資源を動的に(雲が湧いてきたり、消えたりするように)割り当てることができ、同時にシステムの冗長性を確保した、障害に強いシステムインフラストラクチャーのことだと定義している。いわばデータセンター、あるいは企業の情報システムの構築、運用技術の手法のひとつだ。このようなインフラストラクチャー上で、動作するアプリケーションを提供するサービスをクラウドサービスと呼ぶ。

 

具体的なクラウドサービスとしてはどんなものがあるか見てみよう。

 

(1)Amazon EC2、Microsoft Windows Azure

クラウドインフラそのものを提供するサービス。Webで商品販売を行っている会社が、プロモーションなどで一時的に大量の資源を必要とするような場合、必要に応じて動的に資源を確保できる利点がある。Amazon、Microsoftともシンガポールにデータセンターを持つ。自然災害がほとんど無く、電源供給も安定しているシンガポールは、データセンターに最適の地といえる。

 

(2)Microsoft Office 365、Adobe Creative Cloud

OfficeやPhotoshopなどのアプリケーションでは、月極め、あるいは年間の利用契約になっている。アプリケーションはオンラインでもオフラインでも使用できる。クラウド上で使えるオンラインストレージサービス等が付随する。OfficeについてはWeb上で動作するものも用意されている。

 

(3)Dropbox、Microsoft SkyDrive、Gmail

オンラインストレージ、メール等、汎用的なアプリケーションを提供するサービス。無料で使えるものも多い。

(4)会計、給与計算、CRM等のオンライン業務アプリケーション

 

以前ASP、SaaSと呼ばれていたものと基本的に同じもの。あまり普及しなかった。なぜだろうか? その後、状況は変わっただろうか?

 

  1. 応答速度が遅い ➡ 光ファイバー網、クラウドにより改善
  2. ユーザインターフェースが貧弱 ➡ HTML5の登場により改善
  3. セキュリティに不安を感じる ➡ 無防備なスマホ等により悪化
  4. 自社向けのカスタマイズができない ➡ 変わらず
  5. 提供会社が撤退あるいは廃業する等のリスク ➡ 競争激化により悪化
  6. それほど安くない ➡ 以前よりは安くなったものもある

 

クラウドサービスは、契約すれば、すぐに使える。いくつかの拠点、特に海外に拠点が分散しているような場合、共通のシステムをどこからでも利用でき、データの共有も容易など、利点も多い。 パフォーマンス、セキィリティ対策、データのバックアップ体制、および障害時の代替運用体制を評価の上、導入することが大切だ。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.230(2013年03月18日発行)」に掲載されたものです。
取材協力=Huminte Pte Ltd 川田 康廣
本記事は一般的情報の提供のみを目的として作成されており、個別ケースについて、正式な助言なく、本情報のみに依存された場合は責任を負いかねます。

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