2011年8月1日
Q.会社で使うデスクトップPC、持ち歩くノートPC、スマートフォンでファイルを簡単・確実に共有する方法は?
活用しよう、無料で使えるクラウドアプリケーション。共有フォルダ編
以前は、USBのフラッシュメモリにファイルをコピーして持ち歩いていた。この方法では、以下のような問題がある。
- いちいち、自分でコピーするのは面倒
- USBメモリをどこにしまったか忘れたり、失くしたりすることがある
- どのファイルが最新のものか分からなくなる
- メディアが壊れてしまい、ファイルが読めなくなってしまうことがある
このような問題を解決してくれるのが、クラウドテクノロジーだ。例えば、フォルダ共有の場合、DropBoxというものがある。DropBoxはクラウドアプリケーションの一種だが、ファイルデータは、クラウド上だけでなく、登録してあるそれぞれの機器のDropBoxフォルダにコピーされる。フォルダの同期終了後、どの機器からでも最新のファイルを見ることができる。インターネットに接続されていなくてもだ。DropBoxのようなクラウドアプリケーションを使用すると、
- コピーは自動的に行われる
- 常にファイルは各機器のDropBoxフォルダの中にある
- どの機器でファイルを編集しても、最新版が各機器の旧版と置き換わる
- いずれかの機器でファイルが壊れてもコピーがどこかに残っている
- 出張先でPCが壊れても、インターネットに他のPCからアクセスできればクラウド上のDropBoxからファイルを取り出すことができる
さらに、クラウド上のDropBoxには、変更の履歴も残っているため、間違って書き換えてしまっても安心だ。変更前の書類や消去したファイルも取り出せる。
DropBoxは、各機器上のDropBoxフォルダ内の全ファイルを調べ、自動的に最新の更新日時を持つファイルを各DropBoxフォルダへコピーする。インターネットに接続されていれば、全機器上のDropBoxフォルダ内のファイルはすべて同じものになる。
DropBoxは、いちいちユーザ名やパスワードを入れてログインする必要が無い。通常のフォルダと同じように使える。自動的に最新のファイルに統一されることも大きな利点だ。インターネット上でのやり取りは暗号化されており、平文で通信が行わる通常のEmailよりも秘匿性は高い。
DropBox内にサブフォルダを作成し、そのサブフォルダを別の人と共有することもできる。DropBoxは、無料で2GBまで。また、他の人に紹介するごとに無料で使える容量が最大8GBまで増えていく。月US$9.99で50GB、US$19.99で100GBという有料オプションもある。
忘れてならないことは、各機器間の同期に、ある程度時間が必要だということだ。5MBのデータをPCのDropBoxに入れてからスマートフォンに来るまで20秒程度だった。クラウドとはどんなものかを知る上でもお薦めのアプリケーションだ。使い方については下記サイトを参照されたい。
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.194(2011年08月01日発行)」に掲載されたものです。
取材協力=Huminte Pte Ltd 川田 康廣
本記事は一般的情報の提供のみを目的として作成されており、個別ケースについて、正式な助言なく、本情報のみに依存された場合は責任を負いかねます。